ベイエリアで近場の温泉地といえば、カリストガ。
湯使い重視の温泉ファンは拍子抜けする施設も多いこのリゾート地にも、ホンモノの温泉を楽しめる場所があります。
名湯の予感
ウソみたいなホントの話。
1860年代、先住民の温泉が西部開拓民に知られた結果、当時から有名だった東海岸ニューヨークのサラトガ温泉にちなんで名付けられたのが、町の名前。
カリフォルニアのサラトガでカリ・ストガ、です。
ベイエリアの発展に伴って人気のリゾート地であり続けたカリストガは、やや商業的なきらいもあります。
カリストガ・モーター・ロッジみたいに塩素消毒のきつい温浴施設も少なくない町ですが、ゴールデン・ヘイブンは期待できそう。
参考カリストガ・モーター・ロッジ&スパ - カリフォルニア州の温泉
ワイン産地として名高いナパバレーにあって、とりわけチャーミングな街。 泥風呂でも有名なカリストガで、センスあふれるモーテルに泊まってきました。 秀逸すぎるリノベーション 2020年9月現在、カリストガ ...
リノベーションされていますが、基本的には古びたモーテルです。
裏庭のガゼボの下に、ビリヤード台と卓球台を発見。
その横にボッチー(Bocce)用のコートがありました。
巨大な源泉タンクを見つけました。
湧出点で66℃の高温泉をタンクで自然冷却している様子。
飲泉所が直結していました。
源泉を口に含んでみると、不味い。
良薬口に苦し、名湯の予感です。
カリストガ名物の泥風呂も、試さないわけにはいきません。
泥風呂は予約制なので、まずは温泉プールに浸かって時間を調整することにしました。
プールは塩素バッチリ
プールの利用はスパの客と宿泊者に限定されていて、普段は施錠されています。
日帰り入浴は受け付けていません。
プールサイドは狭い。
手前の小浴槽は37℃、奥は40℃。
こちらのジャグジーでは湯が黄色みを帯びて見え、源泉の使用量が多いようでした。
残念ながら強烈に塩素消毒されていました。
プールには期待しない方がいいでしょう。
クセになる臭さ
予約していた泥風呂の時間になりました。
スパも宿泊も同じ場所で受付。
受付だけ、同じ施設とは思えないほど奇麗でした。
まずは更衣室でバスローブに着替えました。
手荷物や衣類は自分で持ち運びするので、専用の袋を渡されました。
いよいよ泥風呂の部屋へ潜入!
コンクリートの枠の中に、一人ずつ入るように泥が満載されていました。
カリストガの泥風呂は、近隣のコノクティ山などでの約1万年の噴火に伴う火山灰と、当地の源泉を混合したユニークな温泉文化です。
スタッフが退室した後、シャワーを浴びて、全裸のまま泥に体を埋めました。
泥は全体的にじんわり暖かい程度ですが、足元に湯口があるようで、かなり熱い箇所もありました。
しばらくするとスタッフが部屋に戻ってきて、顔に泥パックを施して記念撮影してくれました。
泥の中にいるのはたった15分でしたが、激しく発汗してきて満足。
衛生面で気になる人はいるかもしれません。
これだけ大量の泥を毎日入れ替えているとは思えませんので……
最後は温泉使用のジャグジーでさっぱりしました。
プールほど強烈ではないまでも、こんな浴槽まで塩素消毒されていて、げんなり。
客室には金を惜しまず
泥風呂は体験としては面白いですが、個人的には一度でいいかな、という印象。
ゴールデン・ヘイブンでもっとも値の張るSpa Roomsに宿泊すれば、客室に掛け流し浴槽が付いています。
素泊まり一泊約$400.00(執筆時現在)、おいそれと泊まれる値段ではありません。
それにしても特徴的な間取り。
ベッド脇の階段状に高くなっている頂上に、出来合いのバスタブが埋め込まれていました。
蛇口をひねると、飲泉所そのままの源泉が63℃で飛び出してきました。
塩素消毒なし、こってりとしたアブラ臭。
緑色に色づいた外見は、含有成分の豊富さを物語っていました。
いささか商業的なリゾート地カリストガにも、温泉マニアをうならせるホンモノの温泉があるのです。
まとめ
Golden Haven Hot Springs Spa and Resort, Calistoga, California, U.S.
私の好み
種類:宿泊、日帰り
ルール:温泉付き客室、貸切風呂、水着着用
塩素消毒:なし(客室)、あり(その他)
泉温:~66℃