野戦病院ユニットに泊まって楽しむ天然温泉。
一般的な価値観では測れない温泉宿です。
ノース・アメリカン・イーグル・プロジェクト
スティーンズ山の東、アルヴォード砂漠にはミッキー・ホットスプリングスなど複数の野湯がありますが、商業温泉施設はここだけ。
参考ミッキー・ホットスプリングス - オレゴン州の温泉
イエローストーン国立公園のミニチュア版。 本家に勝るとも劣らない地熱活動の数々を、うっかり死ねる距離で観察できます。 ミッキーマウスがアメリカのシンボルなら モンタナ州・ワイオミング州・アイダホ州にま ...
Fields-Denio Road沿いにある、アルヴォード・ホットスプリングスです。
温泉の北側48kmおよび南側19kmが未舗装ですが、ほとんどの車で走破可能でしょう。
宿泊オプションとしてキャンプサイトの他に特筆すべきなのが、バンクハウスです。
これは湾岸戦争等に使用された軍放出品と思われる、MASH(Mobile Army Surgical Hospital、野戦病院ユニット)。
興味津々でしたが、私は日帰り利用のため宿泊しませんでした。
オフィスは簡単な雑貨店になっており、併設の牧場産のビーフを焼いて提供してくれるとのことでした。
温泉へは駐車場から徒歩数分。
道中、カラフルで奇妙なベンチがありました。
これは、ノース・アメリカン・イーグル・プロジェクトで2019年に死亡したドライバー、Jessi Combsをしのぶメモリアルオブジェ。
時速800マイルの陸上記録を達成するため、平坦なアルヴォード砂漠で記録挑戦中だったJessiは、高速で異物に衝突して爆発炎上・即死。
死後、女性による陸上速度記録を更新したとしてギネス世界記録に認定されました。
価値を感じられるかどうか
アルヴォード・ホットスプリングスの温泉部分は、2013年まで私有地にありながら無料開放されていました。
商業化されて以降も、粗末な掘っ立て小屋のような浴場は、ほとんど改装されることがなかったといいます。
水着着用は任意ながら、どうにか更衣室はありました。
浴槽は二つ、完全に屋外にあるものと、トタンの壁で覆われているもの。
屋外の浴槽を見てみましょう。
黄味がかって見える湯の中に、金属製の椅子のようなものが三つ。
バルブが二つ設けられており、59℃の源泉と冷水を自由に掛け流し可能。
湯口では弱い金気臭が感じられました。
壁で覆われた方も同様の構造で、天井はありませんでした。
浴槽内部には藻が発生しており、清掃は入浴者に一任されているようでした。
シャワーも存在しないため、衛生状況は完全に野湯と同様。
Fields-Denio Roadの方角から温泉の川が流れてきていたので、たどってみました。
アルヴォード砂漠の本当に西の端、断層部分に赤茶けた泉源を発見。
76℃の熱湯が自噴し、ここから温泉の川と並行して配湯管がスタートしていました。
泉源から、掘っ立て小屋を挟んで砂漠を望む。
私の感性には、確実に響いてくるものがありました。
まとめ
Alvord Hot Springs, Princeton, Oregon, U.S.
私の好み
種類:日帰り入浴、宿泊
ルール:混浴
塩素消毒:感知せず
泉温:~76℃