コロラド州南西部に位置するリコは、深い森に囲まれた元鉱山町です。
その郊外に、適温の湯が激しく自噴する奇跡の天然ジャグジーが存在します。
注意
私有地のため現在利用できないとの情報があります。ただし、Rico Mine Shaft Innに泊まると合法的に入場する権利が得られるようなので、自己責任でその可能性を探ってみてください。
リコ第一泉源
19世紀後半に銀の採掘で栄え、5,000人を超える人口を誇ったリコの町には、今や200人ほどしか住んでいません。
寂れ果てたダウンタウンを通り抜け、ドロレス川を橋で渡った直後に川原をのぞき込むと、お目当ての温泉が遠くに見えます。
赤茶けた温泉成分が堆積して広場のようになったところに、風情ある露天風呂が並んでいる様子。
リコ温泉での水着着用は任意ですが、このように周囲から丸見えなので、気になる人もいるかもしれません。
駐車場から急斜面を下って川原へ向かいます。
滑りやすいので、尻もちをつきながら滑り降りるのが安全。
温泉成分でこってりとコーティングされて優美な曲線を描く岩風呂に、激しく源泉が自噴しています。
析出物がこぶ状に大きく盛り上がっている辺りに湯口があります。
水面下で温泉ガスを噴出して、湧出口の様子は確認できません。
沸騰しているように見えますが、泉温は約42℃。
一切の調整が不要な適温です。
あふれた湯は、堆積物の丘に細い溝を刻みながら流れ落ちます。
川面に近いところに湯溜まりが作られていて、ここの温度は38℃程度。
ここでの湧出はなく、上の風呂から落ちてきた源泉の流入だけで成り立っています。
更にあふれた湯は、川に突き出た岩風呂で川の水と混合されます。
湯の鮮度を追求するなら、何といっても一番上の露天風呂でしょう。
ボコボコと足元から豪快に湧く天然ジャグジー温泉。
奇跡のような自然の恵みと、この場所を奇麗に維持して開放している町の人に、感謝してもしきれません。
リコ第二泉源
第一泉源だけでも感激ですが、ドロレス川の対岸にはあと二つ泉源が存在します。
ため池の向こうに見えるのが第二泉源です。
その手前に、簡素な更衣室が設けられています。
こちらの泉源もやはり、ガスの噴出を伴う活動を見せています。
泉温も同様、適温の42℃。
湯溜まりがあまりに小さいので、ここでの入浴は想定されていないのかもしれません。
あふれた湯は塩ビ管を流れていきます。
そして、展望露天風呂といっても過言ではない絶好のロケーションの浴槽に注がれます。
元はポリ浴槽のようですが、温泉成分の析出が凄みを感じさせます。
温度は約39℃まで冷却が進んでいます。
渓流を眺めながら、ゆったりと時間が流れていきます。
リコ第三泉源
第三泉源は、第二泉源から廃坑道へ向かう道の右手にあります。
そこに到達する直前に、地中に突き刺さったパイプが轟音を立てていることに気づきました。
最初、どこかで工事でもしているのかと思いましたが、違うようです。
高圧の温泉ガスが絶え間なく放出されています。
第三泉源はもっとも巨大で、もっとも見応えがあります。
もはやジャグジーを超越して、天然の洗濯機のような有り様。
自然への感謝を通り越し、畏怖の念すら覚える光景。
リコ温泉は、まったくとんでもない場所です。
まとめ
Rico Hot Springs, Rico, Colorado, U.S.
私の好み
種類:野湯
ルール:混浴
塩素消毒:なし
泉温:~42℃