カリフォルニア州

ファラド・ソーキング・プール - アメリカの温泉

2021-11-12

ドナー隊の悲劇の場所からもっとも近い温泉。

アクセスは簡単なのにほとんど知られていない、ミステリースポットのような野湯です。

野ざらしの産業遺産

1840年代のアメリカでは、西部のオレゴン州やカリフォルニア州に移り住む開拓民が劇的に増加し、ドナー隊はそのうちの一つです。

ドナー隊の悲劇は、ごく普通の家族が寄り合った87人の一行がシエラネバダ山脈で大雪に閉じ込められ、食糧難の結果、約半数がカニバリズムの犠牲となった奇怪な事件として知られています。

Trailhead 01

興味があればWikipediaなどで調べてみてください。

人肉食は禁忌だからこそ、人々が関心を寄せる史話となったのが分かる優れた読み物になっています。

あるぱか
怖いよ。
でも、読み出したら止まらない。
かぴばら

Signboard 01

今回、ドナー隊の遭難地点から車で20分ほどのトラッキー川沿いに秘湯があるとの情報を聞きつけ、行ってみました。

州間高速道路80号線をファラドの出口で降ります。

Signboard 02

ここには、1899年に設立され1989年に操業を終えた水力発電所があります。

申し訳程度の案内板はありますが、ほぼ野ざらし。

Powerhouse 03

温泉までは片道1km程度の短いハイキングとなります。

発電所の遺構を回り込むように坂を上ると……

Slope 01

更に階段。

導水管を歩道橋で越えます。

Slope 02

太い導水管が、原始的な木の板で覆われています。

Powerhouse 01

素晴らしい産業遺産が朽ちている光景には、心打たれるものがあります。

Powerhouse 02

トレイル沿いに遺構は続きます。

右手の導水路は、西部開拓時代を想像させる木組みで支えられています。

Trail 01

時代背景の異なる構造物もあったりして、興味は尽きません。

Trail 03

トラッキー川を挟んで反対側にはユニオン・パシフィック鉄道が走り、長大な貨物列車が往来しています。

Trail 03

山道脇の斜面に、気泡を伴って湧く小さな泉を発見。

人肌程度の泉温がありました。

Bubbling Water 01

周囲は泥だらけで入浴には適しませんが、目的の温泉が近いことを予感。

ビニールシートの効果は絶大

Overview 01

川原が広くなっているところに、正方形の物体を見つけました。

Overview 02

農業用の何かだと思っていたら、ここが目的地。

Covered 02

分かりやすい場所にあるのになぜかほとんど知られておらず、野湯にありがちな破壊行為から免れ、丁寧に利用されている様子がうかがえます。

Covered 01

分厚いビニールシートを剥がすと、別のビニールシートで止水処理された浴槽が現れました。

Water Temp 01

源泉は無味無臭。

湧出口で泉温36℃のぬる湯ですが、カバーの保温効果のためか、浴槽全体で十分な温かみが感じられました。

Overview 01

浴槽内部は、カバーのおかげで泥の堆積も少なく快適。

Pool 03

高潔な志を持った一部の温泉愛好家によって維持管理されているのでしょう。

Pool 03

静穏な谷の向こうで困窮を極め、共食いに至った人々がいたことに思いをはせながら、じっくりと湯に浸かりました。

Soaking 02

まとめ

Farad Soaking Pool, ファラド, カリフォルニア州, アメリカ

私の好み

  • 種類
    野湯
  • ルール
    混浴(Clothing Optional)
  • 塩素消毒
    なし
  • 泉温
    ~36℃

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