不動産開発の目玉としてのラグジュアリーな温泉。
それは、意外にも硫化水素臭の強い特徴的な湯でした。
不動産会社が所有
多くのワイナリーがあることで有名なパソ・ロブレスは、1795年にはすでにカリフォルニア最古の温泉地として記されていました。
スペイン植民地時代の巡礼路、エル・カミーノ・レアル沿いの湯治場として栄えるよりずっと前から、先住民のサリナン族によって入浴されていたようです。
リバー・オークス・ホットスプリングスへは、パソ・ロブレス・インのあるダウンタウンから北東へ7分のドライブ。
参考パソ・ロブレス・イン - カリフォルニア州
上質な休日をお望みなら、カリフォルニアでワイナリーめぐりなんてどうでしょう。 ついでに、風呂に入ることだってできるのです。 カリフォルニアワイン カリフォルニア州を仮に一国家とみなした場合、イタリア、 ...
サリナス川を渡った対岸にあり、周辺はゴルフ場と建設中の新興住宅地が目立ちました。
歴史的な街並みとは無縁の一帯。
さて、パソ・ロブレス・インの温泉井戸は湯の発する強い臭気のため、あろうことか封鎖されています。
そのため、そのオフィシャルサイトには「硫黄泉を探しているならリバー・オークス・ホットスプリングスへ行け」と書いてあるのです。
リバー・オークス・ホットスプリングスは、近代的な入浴施設としてはパソ・ロブレスで唯一残る存在です。
日帰り利用に特化しており、入浴のみならずマッサージやセラピーとのセットを売りにしています。
貸切風呂でのワインのテイスティングという興味深いパッケージもありました。
事前の電話予約は必須。
ラグジュアリーな屋内には、周辺の土地利用計画図が掲示されていました。
実は、リバー・オーク・ホットスプリグスはEstrella Associates社なる不動産会社が所有していて、先ほど見てきたゴルフコースや住宅地もその一環。
天然温泉を用いたスパが、不動産開発の目玉になっているのです。
一面のブドウ畑
風呂は全て貸切制で、半露天の浴室も屋内にあります。
River Oaks Hot Springs Spa
今回私は、貸切露天風呂を利用することにしました。
5つある貸切露天風呂は、ブドウ畑に面した庭に点在しており、それぞれが目隠しフェンスで囲まれていました。
到着時、出来合いの浴槽の中でジャグジーが稼働していました。
シャワーはなく、別室で済ませる必要があります。
壁面のスイッチでジャグジーをオフにして、温泉本来の様子を観察することにします。
二つあるバルブのひとつからは、源泉を常時かけ流すことができました。
灰色に濁って見える特徴的な泉質。
アブラ臭を伴う硫化水素臭が香りました。
湯口での泉温は46℃。
ヌルヌルとした触感が顕著で、極上の湯であることは明白でした。
そして、このパノラマ。
地平線まで広がるブドウ畑を眺めながらの入浴なんて、ここでしかできません。
このような近代的・商業的な施設で、歴史的なパソ・ロブレスの名湯を楽しめるなんて、意外すぎます。
まとめ
River Oaks Hot Springs Spa, Paso Robles, California, U.S.
私の好み
種類:日帰り
ルール:貸切風呂
塩素消毒:感知せず
泉温:~46℃