湯めぐりの拠点とする宿でも温泉に入りたい、そんな人のためのモーテル。
宿泊者は風情たっぷりの湯小屋を利用できますが、少々クセのある貸切制です。
寒村の商業コンプレックス
スタンレー周辺はアイダホ州屈指の温泉密集地帯で、サンビームなどへ訪れる拠点として最適。
参考サンビーム・ホットスプリングス - アイダホ州の温泉
不況と温泉。 アメリカの温泉のいくつかは、大恐慌後の失業対策として開発された歴史を持っています。 西側の豪快な捨て湯 サーモン川に沿ってアイダホ州道75号線を走っていると、サンビーム温泉を見逃すことは ...
近隣の町から離れた山深くに位置するスタンレーにはガソリンスタンドとスーパーマーケットもあり、多くの旅人がこの村で足を留めることになるでしょう。
ログハウス調のスーパーマーケットの真向かいにあるのが、マウンテン・ヴィレッジ・リゾート。
明らかに同一の経営によるモーテルです。
冬季は深い雪に閉ざされる当地にあって、ほぼ唯一の産業といえます。
宿泊者専用の温泉についてチェックイン時に説明が聞けるかと思いきや、何もなし。
代わりに、併設するレストランで使えるバウチャーを一人当たり$5.00(執筆時現在)を受け取りました。
まあ、温泉の詳細は追々わかるだろう。
バウチャーのおかげでタダで飲める地ビールで、カンパ~イ!
レストランの隣には、ダンスホールなる建物がありました。
自噴している温泉以外にはほとんど何もないこの村で、絶大な権力を誇っている商業コンプレックスであることは容易に想像できます。
広々とした敷地内には、キャンプ場やRVパークもあります。
宿泊棟も、やはりログハウス風。
客室には冷蔵庫と電子レンジを完備し、実用性バッチリです。
農作業小屋の風情
部屋に荷物を置き、その辺を巡回しましたが一向に温泉らしき施設が見当たりません。
結局、フロントに尋ねてみると何と、本日の利用は満席だとか。
翌日の午前11時なら空いているというので、しぶしぶ予定を調整することにしました。
温泉へはモーテルから徒歩10分、聞かなければ分からない荒野の一本道を歩むことになります。
味のある湯小屋が見えてきました。
宿の周辺とは対照的に、商業的なニオイはまったくありません。
農作業小屋のような渋い外観。
温泉がそこら中から染み出す、湿地帯に立地していることが分かります。
入退室はこちらの木戸から。
1時間の貸切利用限定、客室数を考えればどうやり繰りしても全組は入浴できません。
そんな不可解な貸切風呂から眺める景色は、しかし息を呑むほど美しい。
川原には排湯を用いた岩風呂があります。
バレー川に向かって大きく開いた観音扉から、小屋の内部を観察。
最奥部にあるのは更衣室です。
全裸で入浴できる貸切風呂に、更衣室が必要かどうかは分かりません。
個人的にはシャワーがほしかった。
八角形の湯船の中には、ふちに沿って木製のベンチが設けられています。
底面はさらさらの砂。
金属製のはしごの所から投入されているのは、温度調節のための冷水。
源泉はほとんど無味無臭で足元湧出、浴槽内は41℃のぬるめに保たれています。
まとめ
Mountain Village Resort, Stanley, Idaho, U.S.
私の好み
種類:宿泊
ルール:貸切風呂
塩素消毒:なし
泉温:~41℃