危険な魅力を漂わせるアイダホの温泉の真骨頂のような野湯です。
小さすぎる湯小屋もまた素晴らしい。
崖上の湯小屋
アイダホ州道21号線沿い、サカジャウィアへ向かう横道との分岐点付近に存在するのがボンネビル温泉です。
参考サカジャウィア・ホットスプリングス - アイダホ州の温泉
1ドル硬貨の肖像のモデルに選ばれている、ネイティブ・アメリカン女性サカジャウィア。 その栄誉ある名前を冠した野湯です。 ソートゥース・ロッジ アイダホ州道21号線、ロウマンとスタンレーのおよそ中間地点 ...
ボイジー国有林の管理するボンネビル・キャンプグランドが開いている5~9月は、アクセスがより簡単。
このキャンプ場は電気、水道、下水道こそありませんが、サイト数22で管理人が常駐している施設です。
温泉へはキャンプ場の北端から往復1kmの短いハイキングとなります。
キャンプ場が閉まっている場合は追加で往復2km程度が必要ですが、年中アクセス可能です。
デイユースは$5.00(執筆時現在)。
所定の封筒にキャッシュを入れて投函します。
トレイルは基本的に平たんで迷うことはないでしょう。
右手を流れるウォーム・スプリング・クリークに沿って、川より小高くなった場所を歩きます。
視界が開けて、川原にいくつもの岩風呂が見え出したら到着です。
温泉成分で赤茶けた地面の上に、作業小屋のようにも見える粗末な建物を発見。
中に入ってみると、驚くほど小さな湯小屋でした。
膝を抱えないと入れないほどのサイズの鋳物ホーロー浴槽が、奥に一つ。
隙間だらけの板張りも味があります。
国有林内の温泉で、こういった人工物が残されているのは貴重かもしれません。
浴槽内で温泉と冷鉱泉を混合させるようになっていましたが、それでも温度は46℃で入浴するには気合いが必要でした。
ほのかな硫化水素臭を伴い、とろみのある名湯。
そうは言っても浴槽が1個しかないのでは、いつまでも独占しているわけにもいきません。
キャンプ場から温泉目当てでやって来る客は常に一定数います。
湯小屋の裏手の山の斜面に泉源があったので観察。
かなりの湧出量があり、激しい地熱活動を全身で感じました。
それもそのはず、泉温は64℃に達していました。
うっかり転落しないように注意。
崖下の岩風呂
湯小屋の前を通り過ぎた熱湯は、滝となって丘の下に流れ落ちていました。
その地点からウォーム・スプリング・クリークに合流するまでの少しの距離は、源泉100%の温泉の川になっています。
徐々に自然冷却されていくとは言え、新湯がどんどん流入してなかなか冷めません。
良さげな湯だまりに見えても、岩がオレンジ色に染まっている場所は全て危険な高温です。
結局、渓流からの伏流水と合流する辺りになって初めて入浴可能に。
少々ブユが飛んでいるのが気になりましたが、全身浸かってしまえばこっちのもの。
幸い、先客が残した岩風呂がたくさんあるので選び放題です。
ここならぬる湯で極楽、極楽。
アイダホらしい見どころたっぷりの温泉に大満足でした。
まとめ
Bonneville Hot Springs, Boise National Forest, Idaho, U.S.
私の好み
種類:日帰り、宿泊(キャンプ場)
ルール:混浴
塩素消毒:なし
泉温:~64℃