ロサンゼルスとサンディエゴのおよそ中間地点にあった温泉宿。
その本格的な泉質から、アジア系コミュニティではよく知られた存在でした。
注意
この施設は閉業しました。
アジア系がつないだ温泉の歴史
かつては日系の牧師さんが運営していたことから、日系コミュニティでとくに人気の温泉でした。
毎週日曜日には礼拝の時間も設定されていたとか。
2016年に私が初めて訪れたころには、韓国系のオーナーに代わっていました。
どちらも温泉好きの民族で、南カリフォルニアに大きなコミュニティを持つことから、日本人と韓国人が当地の温泉の歴史をつないだのは当然の帰結といえるかもしれません。
私は日帰り入浴で利用しましたが、宿泊客からの辛辣なレビューも散見されるモーテルでした。
確かに清潔感がなく、生活感が甚だしく、いかにも一般受けしなさそう。
それでも、各客室に備え付けられた内風呂では掛け流しの源泉が使い放題だとして、その価値が分かる人には大変な好評だったようです。
源泉の投入はオーナーの気まぐれ
日帰り入浴の場合、屋外にある二つの温泉浴槽に案内されました。
水着着用は必須。
円が連なったような浴槽が一つと、ガゼボの中に円形の浴槽が一つ。
ジャグジーの作動も操作可能でした。
最初、浴槽の湯は貯め湯で非常に落胆することになりました。
その様子にオーナーが気づいたのかどうか分かりませんが、しばらくすると頼みもしないのに新湯を投入してくれました。
ヌルヌルとしたローションのような肌触り。
荒々しい硫化水素臭を放つ源泉が放流され、大都市近郊でこれほどの名湯が湧くものかと感じいりました。
ほんの数分で掛け流しの時間は終了し、その厚意には感謝しながらも、煮え切らない思いで浴槽を後にすることになりました。
その後、洗い場のカランとシャワーからもピュアな源泉が出てくるのを発見し、大喜びしたものです。
2020年、新型コロナウイルスが猛威を振るい、ハウス・オブ・シロアムの歴史は完全に途絶えてしまいました。
南カリフォルニアに居住するアジア系の安息の地として、この温泉がいつか再び日の目を見ることを祈っています。
まとめ
House of Siloam, Lake Elsinore, California, U.S.
私の好み
種類:日帰り、宿泊
ルール:水着着用、温泉付き客室
塩素消毒:あり
泉温:~40℃