ロサンゼルスとサンディエゴのおよそ中間地点にある歴史的な温泉地。
人々がその存在をほとんど忘れ去ってしまった今でも、名湯がかろうじて掛け流されていました。
レイク・エルシノア
南カリフォルニア(SoCal)を旅行していたら、知らず知らずのうちにレイク・エルシノアを通過していることでしょう。
州間高速道路15号線沿いの交通の要衝で、ここが歴史的な温泉地であることを知っている人はさほど多くありません。
エルシノア湖畔のダウンタウンには、1887年に建設されたムーア様式の旧浴場(ザ・クレッセント・バスハウス、通称チャイムズ)が残っています。
1945年に廃業し現在でも閉鎖したままのこの浴場には、56℃で湧出するミネラル豊富な天然温泉を利用したプール、サウナ、泥湯、ホットタブがあったようです。
1900年代初頭にはハリウッドから逃れてきたセレブたちに人気の場所であったレイク・エルシノアが今日では見る影もないのと同様に、当地の温泉文化もすっかり忘れ去られてしまいました。
チョロチョロの掛け流し
ハウス・オブ・シロアムが閉業した今日、エルシノアではたった一つの温泉宿だけが営業しています。
参照ハウス・オブ・シロアム(レイク・エルシノア)【閉鎖】 - カリフォルニア州の温泉
ロサンゼルスとサンディエゴのおよそ中間地点にあった温泉宿。 その本格的な泉質から、アジア系コミュニティではよく知られた存在でした。 アジア系がつないだ温泉の歴史 かつては日系の牧師さんが運営していたこ ...
その名もエルシノア・ホットスプリングス&ロッジ。
チャイムズから徒歩数分の立地にあります。
温泉文化に親和性が高いアジア系の多い南カリフォルニアでは、当然の帰結としてアジア系による温泉経営が見られます。
このモーテルはのオーナーは韓国系。
日帰り入浴も積極的に受け付けています。
屋内にはシャワールーム、サウナ、円形のホットタブが一つ。
こちらのホットタブでは湯が循環されている様子で、とくに感動はありませんでした。
塩素消毒もされている模様。
屋外に出ると宿泊棟に面した中庭に屋外プールが一つ。
こちらのプールは温泉利用ではないようでした。
その奥のガゼボの下に、長方形のホットタブを発見。
湯はややにごりを生じており、循環のための吐出口はありませんでした。
金属製の小さな湯口から注がれる源泉。
これがホットタブへの新湯の投入の全てなので、衛生的には少々難ありと感じました。
そうは言っても、歴史ある源泉がかろうじて掛け流されている事実に感動せざるを得ません。
ヌルヌルとした肌触りで、硫化水素臭が鼻を突きます。
いかにも効能がありそうな名湯で、湯使いさえ改善されれば満足感は高いと感じました。
ちなみに湧出量が足りないわけではなさそうで、シャワールームでは同じ源泉を普通に使用できました。
ただ、このシャワールームが曲者でジメジメした狭い空間で巨大ゴキブリと格闘する羽目に。
エルシノアの温泉は健在ですが、もはや風前の灯火といえます。
まとめ
Elsinore Hot Springs & Lodge, Lake Elsinore, California, U.S.
私の好み
種類:日帰り、宿泊
ルール:水着着用、温泉付き客室
塩素消毒:感知せず(ガゼボ下プール)、あり(その他)
泉温:~40℃