息をのむような絶景を楽しめる野湯。
惜しむらくは泉源から引湯する距離が長く、湯温が不足気味です。
泥沼状の泉源
カリフォルニア州ロング・バレー・カルデラ内部には多くの野湯が湧いていますが、とりわけ景観が優れているのがザ・ロック・タブです。
ウィットモア・タブズ・ロードという走りやすい未舗装路に進入し、ほどなくしてダート道を右折すればもう到着。
この地域の野湯群の中では、もっともアクセスが容易な部類と思われます。
ダート道の右手の荒れ地から湯けむりが上がっていたので、近付いてみました。
気を付けないと泥に足を取られます。
この辺りは雨が降った後は進入困難になる、もろい土壌で構成されています。
かろうじて判別可能な人工構造物を見つけました。
実はこの泥沼がザ・ロック・タブの泉源で、ここから50メートルばかり離れた岩風呂に引湯されているのです。
泉温49℃。
温度は良好ですが、塩ビ管へ流入する湯量が少ないのが気にかかります。
引湯管は見事に雪原を割っています。
小高い岩山の向こうに終点を発見。
絶景露天風呂・投入量少な目
有志が岩石をモルタルで固めて作った湯船です。
訪問時の冬は、湯尻からほとんど湯があふれていませんでした。
2年前の春には、こちらの写真のように水位も高く流出が見られたので、パイプに泥が詰まってしまったのかもしれません。
周囲は広場になっていて、車を停めて一晩中キャンプできます。
入浴ルールはClothing optional。
全裸の人もいるので、車は横付けしないでください。
手前の地面を観察すると、装飾的なタイルが残っています。
かつてはロマンティックな風情の露天風呂だったのかもしれません。
5人は入れそうなサイズ。
湯口で実測35℃程度、浴槽全体では約32℃。
真冬の入浴には厳しいぬる湯です。
夏場なら問題ないでしょうが、訪問時は湯の投入量が明らかに不足して清潔感に欠けました。
少々メンテナンスが必要のようです。
そうは言っても湯船から眺める絶景には、欠点を補って余りあるものがあります。
今後もロング・バレー・カルデラの近くを通るたびに立ち寄って、状態を確認していきたいと思います。
まとめ
The Rock Tub Hot Springs, Mammoth Lakes, California, U.S.
私の好み
種類:野湯
ルール:混浴
塩素消毒:なし
泉温:~49℃