州間高速道路10号線の近く、アリゾナ州ツーソンとテキサス州エルパソの間の砂漠。
ATV（四輪バギー）の愛好者たちが集うキャンプ場に、温泉が湧いていました。
所変われば
私が人里離れた温泉ばかり巡っているからでしょうが、アメリカに住んでみて驚いたのが未舗装路の多さです。
日本では一般的でないピックアップトラックがアメリカ合衆国で絶大な人気を誇るのは、道路事情によるところもあるのかもしれません。
ATVがレジャーとして人気があるのも同様の理由かもしれません。
ホット・ウェル・デューンズ・レクリエーション・エリアは、その愛好者たちが集うキャンプ場。
古代湖が干上がってできた荒野がATVのプレイグランドです。
ここには、石油掘削を目論んで作られた温泉井戸があります。
キャンプ場の入場料は車一台当たり$3.00（執筆時現在）。
金属製の箱にわずかばかりの紙幣を投入して、温泉を探しました。
二つの円形露天風呂
合衆国内務省管轄のなせるわざか、人里離れた立地にもかかわらず奇麗に維持管理されていました。
左手前と右奥に、それぞれフェンスで囲まれた露天風呂がありました。
用いられている源泉は自噴ではなく、くみ上げによるもの。
大きなソーラーパネルが目印の小屋の中に、揚水用と思われるポンプが入っていました。
キャンプの夜に熱い湯に浸かれたら最高なのですが、その夢はかないません。
動力源を太陽光に頼っているためか、日が沈めば温泉に入ることはできないのです。
6人ぐらい入れそうな正円形の浴槽は、頑丈に作られていました。
湯口での泉温は41℃。
入浴中、強い日差しを遮るものは一切ありませんので、このぐらいの温度でも十分温かく感じられました。
加水・消毒なしの掛け流し。
湧出量は十分あり、あふれ出た湯は砂地に吸い込まれていました。
もう一つの露天風呂を見てみましょう。
手すりとベンチの位置関係を除けば、ほとんど違いを見つけられませんでした。
こちらの方がややぬるめの温度設定になっていました。
1928年、石油掘削のため地中500メートル掘り進んだところで代わりに温泉が湧出したという記録が残っています。
そのわりに、源泉は無味無臭でアブラ臭は一切ありません。
石油掘削としては大ハズレだったといえます。
一方、100年近く昔の大失敗のおかげで、こうして温泉を楽しめるわけですから、何が失敗で何が成功か分かったものではありません。
まとめ
Hot Well Dunes, Safford, Arizona, U.S.
私の好み
種類：日帰り、宿泊（キャンプ場）
ルール：水着着用
塩素消毒：なし
泉温：～41℃
