メキシコ・アグアスカリエンテスでは、空港の職員から日本語で挨拶されました。
ここは日産自動車を中心とした日系企業の一大集積地であり、かつ温泉の町でもあります。
タラベラ焼き調のタイル
独裁と内紛を繰り返して世間を騒がす日産自動車ですが、アグアスカリエンテスが日産の「企業城下町」として着実な成長を遂げてきたのは紛れもない事実です。
1575年に建設されたこの町では、スペイン語でアグアス(=水)カリエンテス(=熱い)が意味する通り、温泉が湧きます。
オホカリエンテは、現存しているもっとも大きな日帰り入浴施設。
こういった歴史を感じる場所が、単なる史跡ではなく現役の施設として営業しているのは、喜ばしいことです。
利用は貸切制のみですが、事前予約は不要。
豊富な湧出量を背景に、貸切風呂の数は30程度あります。
利用は1時間単位で、二人向けの個室から15人向けのプールまで8段階の細かな価格設定があります。
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今回私はもっとも安い150ペソのTinaを選びました。
係員に渡された半券に書かれた番号どおりの浴室へ向かいました。
清掃スタッフに半券を渡すと、浴槽に栓がされて湯張りが始まりました。
浴室は小さくも美しい。
スペインから伝来し、メキシコ的な色彩感覚が融合したタラベラ焼き調のタイルに囲まれていました。
ベンチから壁にかけられた鏡の縁まで、同じ紋様で彩られていました。
泉質はこれといった特徴のない単純泉。
泉温は40℃程度のぬるめですが、貯め湯にせず掛け流していると、身体がじんわりと温まってきました。
水面付近に排水口があり、掛け流し続けてもあふれない構造になっていました。
バラエティ豊かな浴室
湯上り後は施設内を散策することにしました。
少し小高くなったところには、木陰の下に休憩スペースがありました。
ここで一服するのも良いアイデアですが、私はそれより他の浴室に興味津々でした。
等間隔で多くの浴室が並んでいました。
空いている扉から内部をのぞいてみると、それぞれ意匠が異なることに驚きました。
こちらのやや大きめの浴室は、浴槽へのアプローチが美しく、赤色のタイルが印象的。
一方、こちらは地下に続く階段を降りていくような構造で、タイルはモダンな市松模様でした。
もっとも大きい屋外プールも貸切制。
大家族がまとまって利用すれば結果的に安上がりになるので、メキシコでは需要のある使われ方なのかもしれません。
迷路のように入り組んだ敷地内を探索すると、更に建設中の屋内プールを発見しました。
「画一的」という言葉とは無縁の珠玉の浴室群が、この温浴施設の最大の魅力でした。
まとめ
Baños Termales de Ojocaliente, Aguascalientes, Aguascalientes, Mexico
私の好み
種類:日帰り
ルール:貸切風呂、水着着用
塩素消毒:感知せず
泉温:~40℃