温泉大好きメキシコ人にとって、「温泉」は家族みんなで楽しめるウォーターパーク、というイメージが強いようです。
ラテンアメリカ最大級の温泉テーマパークを訪れます。
波立つ屋内プール
メキシコシティからのアクセスも良いイスタパン・デ・ラ・サルが、もっぱらChilango(=メキシコシティの住民)の保養地という地位を甘んじて受け入れているのは、不思議なことです。
徒歩圏内に三つの温浴施設が並び立つ温泉街は、観光名所としてもっと知られてもいいように思います。

メキシコの温泉テーマパークといえば秘境グルータス・トラントンゴを推したいところですが、パルケ・アクアティコ・イスタパンは規模で優っています。
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参考グルータス・トラントンゴ - メキシコの温泉
日本と同じ環太平洋火山帯に属するメキシコは、地熱資源の豊富な温泉大国です。 そんな温泉大国を象徴するような衝撃的なスポットを訪れます。 巨大な鍾乳洞から膨大な湯量の温泉が噴出、そこには流れ出る湯の川を ...
広大な敷地内には遊覧鉄道まであり、ラテンアメリカ最大級の触れ込みも、むべなるかなという感じ。

施設は、ウォータースライダーを備えた遊園地ゾーン(平日125ペソ、土日200ペソ)と、温浴エリア(85ペソ、遊園地とも利用の場合30ペソ)に分かれています。
今回は1939年創業の、歴史的な温浴エリアに入場します。

日中はごった返すことが分かっていたので、9時開場ぴったりに並ぶも、入れず。
そうこうしているうちに、寝坊の係員が9時20分に出社。



セントロにあるバルネアリオ・ムニシパルと異なり、こちらは幹線道路を挟んで位置しているためか、地元民の利用はさほど多くないようです。
古めかしくも堂々とした建築。

ロビーには飲泉所があり、金気臭の強い源泉を味わえます。
突き当り右側にはシャングリ・ラ・スパへの通用口があるので、貸切風呂に入りたくなったら追加料金で入場できます。

突き当り奥が、遊園地ゾーンへの入口。

温泉プールは内風呂が一つ、露天風呂が一つの構成です。
内風呂の室内には湯気が充満しています。

湯加減は40℃程度のぬるめですが、主浴槽がバイブラバスで水面が波立ち、それで湯気が生じているようです。

壁の両側にはロッカールーム(有料)が並んでいて、ここで水着に着替え、貴重品を置きます。

貝を模した覆いの下から、激しくエアーが送り込まれています。
このため温泉に含まれる鉄分の酸化が進み、茶褐色が鮮やかに表れています。

主浴槽の深さは大人の腰上まで。
浅い寝湯は底面が傾斜しています。

メキシコでは法規制が緩いことが幸いして、塩素(カルキ)消毒をしている様子がなく、温泉そのものの香りを楽しめます。
しかし、新湯の投入量が判然とせず、今回は一番風呂なので良いものの、芋を洗うような混雑だったら衛生面で不安になるかもしれません。

緑が映える屋外プール
露天風呂はいかにもプールといった形状をしていますが、林に面していて趣があります。

落ち葉を入りにくくする工夫でしょうか、樹木側には白い幕が張られています。

屋外ではロッカーが二階建てになっています。
浴槽から視認できる位置にロッカーを設けているのは、盗難防止のための工夫でしょう。

個人的にバイブラバスは騒々しくて苦手なので、露天風呂で過ごすことにしました。

外気に晒されて38℃ほどのぬるい湯に浸かり、穏やかな一日の始まりを感じます。
塩分を多く含む泉質のため、体の芯からぽかぽかと温まります。

寝坊のメキシコ人たちがちらほら現れ、にぎやかになってきました。
一番風呂は満喫したので、そろそろ退散することにしましょう。
まとめ
Parque Acuático Ixtapan, Ixtapan de la Sal, México, Mexico
私の好み
種類:日帰り
ルール:水着着用
塩素消毒:感知せず
泉温:~40℃