濃厚な褐色の温泉に、人々が我も我もと浸かる様子は、なかなか衝撃的なビジュアルです。
メキシコ人を温泉へと駆り立てるものは、いったい何なのでしょうか?
銀の街「タスコ」
メキシコシティー、メトロTasqueña駅最寄りの南バスターミナルから、日帰り旅行も可能なタスコ。
チルパンシンゴ市を中心に治安が極度に悪化しているゲレロ州にあって、比較的安全な観光地といえます。
pegatina1 – atasco en Taxco (2014) CC BY-ND 2.0
かつて銀の採掘により栄えたコロニアル都市には白壁の家々が建ち並び、スペインのアンダルシア地方の雰囲気が漂います。
町のタクシーはレトロなフォルクスワーゲン・ビートルで統一され、曲がりくねった石畳をうなりながら駆け抜けます。
大盛況の半露天
トナティコは、タスコとイスタパン・デ・ラ・サルの間にある小さな町です。
観光目的で訪れる人も滅多にいないであろうこの町に、温泉を利用したウォーターパークがあります。
ホテル「Balneario Tonatico」に隣接していて、入口はなかなか立派。
手書きの街路図の端に、目立たない窓口があります。
入場料80ペソをここで支払います。
手前に泳げる温泉プールがあり、その奥には小児用の浅いプールが見えます。
褐色の温水を貯めたプールの水温は32℃ほど。
更衣用ロッカーのある建物が、プールを取り囲むように位置しています。
その向こうには、大型のウォータースライダーが見えます。
これは小児用プール。
浅いので色が薄く見えますが、温泉を使用しています。
すべてのプールで湯口が水面下にあるようで、どの程度の量の源泉を使用しているかは分かりません。
少なくとも、新鮮な湯という感覚はありません。
ただ、塩素消毒の嫌なにおいは無く、温泉由来の金気臭を放っています。
人もまばらな園内で唯一大盛況だったのが、半露天のようになったこのプール。
もっとも温かい状態に保たれ、といっても37℃程度のぬる湯です。
温度の高さは源泉の投入量に比例していると思われ、褐色がもっとも鮮やかに見られ、湯は強い塩味と苦味を帯びています。
それにしても大勢のメキシコ人がこのプールばかり好んで浸かっていて、壮観です。
ウォーターパークなので温泉はオマケのようなものかと思いきや、ガッツリ濃厚な源泉が掛け流され、人々はむしろ湯浴みを目的に集まっているのでした。
まとめ
Balneario Municipal de Tonatico, Tonatico, México, Mexico
私の好み
種類:日帰り
ルール:水着着用
塩素消毒:感知せず
泉温:~37℃