ウォーム・スプリングス【個人所有】 - ネバダ州の温泉

「地球外ハイウェイ」の西端。

地球のものとは思えない、奇妙で美しい温泉があります。

勝手に満たされるプール

エリア51付近を通り、UFOの目撃情報が多いネバダ州道375号線は、州より公式に「地球外ハイウェイ」と名付けられています。

Gord Webster - Extraterrestrial Highway (2003)
CC BY-SA 2.0

ネバダ州道375号線と国道6号線がT字状に交差している地点。

そこには廃墟しか残っていませんが、かつては集落がありました。

白人が最初に入植したのが1866年。

駅馬車の中継地点として使用され、当地に自噴する温泉を利用したプールは旅人に親しまれてきました。

しかし、道路事情の改善に伴い立ち寄る人が減少し、1980年ごろには完全なゴーストタウンになったとか。

温泉は今なお、裏手の岩山から水路を伝って流れ落ちていました。

水路の周辺には温泉成分が厚く析出して、まるで雪が積もっているように見えました。

湧出点で約60℃の源泉は水路を通る間に自然冷却され、43℃程度に。

自然の高低差だけで、プールに勝手に注がれていました。

地球外の浴感

金網で囲まれたプールの廃墟は、私有地であることがうかがわれるいくつかのサインがありましたが、施錠されておらず自由に出入りできました。

あるぱか

完全に自己責任ね

国道からも見えるので節度を守って

かぴばら

内部は整然としており、ドラム缶がゴミ箱代わりに利用されていました。

プールの中にはステップが設けられていて、老朽化こそしていましたがまだ使用できました。

プール脇の木製の小屋は更衣室。

男女別なのかどうか分かりませんが、あたかも現役の施設のように使えました。

恐る恐る身を湯に沈めてみると、足がプールの底に接地した時の感覚にびっくり。

綿の上を歩いているかのようにフワフワ。

プールの底に堆積しているフワフワの析出物が、美しいターコイズ色の見た目に寄与しているらしいことが推測されました。

特徴的な色彩に反して、特段のにおいは感じられませんでした。

湯尻に近付くにつれ、プールは大人でも足が底につかないぐらいの深さに。

いよいよ地球外に放り出されたような気持ちになってきました。

まとめ