カーカム温泉は数あるアイダホの野湯の中でも、ランドマーク的存在。
ここでは、過度な人気の集中による環境破壊が問題視されています。
山の湯
ボイシ以北の山中に星の数ほど点在する野湯のうち、もっとも有名なものの一つはカーカム温泉でしょう。
サウス・フォーク・ペイエット川を挟んでアイダホ州道21号線の反対側に、湯けむりを上げる壮大な析出物の丘があるのは、車を運転しながらでも分かります。
そのアクセスの容易さと見応えある温泉の様子から、週末は大変混雑します。
これにより深刻な環境破壊が発生したため、事態を重く見た森林局は隣接するキャンプ場を閉鎖しています。
幸い、日帰りでの利用は認められています。
車両が進入できないように閉鎖されている橋を徒歩で渡ると、対岸はかつてのキャンプ場がそのままの状態でした。
日帰り利用は車1台当たり$5.00。
料金箱に紙幣を投入して、路肩に止めた車の中に半券を掲示。
16サイトあるかつてのキャンプ場の裏手の斜面に、小規模な泉源が複数見られました。
これらを便宜上「山の湯」と呼びます。
源泉はそのまま斜面を伝って、原始的な岩風呂の数々へ。
湧出点は50℃近い泉温も、岩風呂の中では適温に下がっていました。
水着着用は必須。
開けた場所にあるので仕方がないでしょう。
川の湯
山の湯から流出した温泉は、水路を伝ってサウス・フォーク・ペイエット川へ。
その合流地点にあるのが「川の湯」です。
これがカーカム温泉の心臓部。
見晴らし台、説明看板、遊歩道が整備されていました。
川の湯の上部には、泉温が高く湧出量も多い別の泉源が複数ありました。
丘の上部から湧き出す熱湯は65℃。
それが岩の斜面を扇状に広がりながら、川に向かって流れ落ちていました。
ここでは、左手から滑り降りてくる山の湯の排湯と、右手の丘から流れてきた源泉が交じり合っていました。
豪快に湯けむりが立ち上る凄まじい光景。
岩場は温泉藻の影響で非常に滑りやすいので、注意して歩いてください。
滝つぼ状になったところには入浴に適した複数の湯溜まりがあり、人々が温かい滝に打たれていました。
流路によって湯溜まりの温度は異なり、湧出点そのままの熱湯で入れない場所もありました。
川面に突き出た場所にも岩風呂が設けられていました。
川の水で加水されますが、こんなに奇麗な水質なら文句はありません。
私が特に気に入ったのは、川の湯から下流側に遊歩道を進んだところにある、こちらの小さな湯溜まり。
存在に気づく人が少なく、無味無臭の熱めの湯をじっくり堪能できました。
この絶景では、人気がありすぎるのも当然です。
まとめ
Kirkham Hot Springs, Boise National Forest, Idaho, U.S.
私の好み
種類:野湯(要入場料)
ルール:水着着用
塩素消毒:なし
泉温:~65℃