アメリカ合衆国最古といわれる温浴施設、オホ・カリエンテ温泉を訪れました。
「温故知新」という故事成語が意味するように、古い物事を究めて新しい知識や見解を得られたでしょうか?
補足情報
2020年の火災の被害を受け、現在の様子と異なる部分があります。
古きを温めて
ニューメキシコ州の州都、サンタフェはアメリカ合衆国建国よりはるか昔の1610年に、スペイン領「サンタフェ・ヌエボ・メヒコ」の首都として建設された都市。
サンタフェから北方へ車を進めること1時間、ネイティブ・アメリカン・テワ族の最大級の村落の遺跡、Posi-Ouingeがあります。
スペイン人入植者が征服を効率的に進めるために、先住民の居住域から少し離れたところにサンタフェを建設したことが推測されます。

その遺跡は温泉を取り囲むようにして位置しており、温泉が先住民にとって重要な存在であったことは明白。
同じ源泉を利用して、米国で白人が建設した最古といわれる温浴施設が現存しています。

1868年、当地に最初の公衆浴場が建てられ、それはニューメキシコ州が州として承認された1912年よりずっと昔の話。

開業当時の建物も現存しており、フィンランド式のサウナを提供するヒストリック・バスハウスとして活躍していました。

アドビ様式の建築がリゾート感を演出していました。

温浴エリアは、別料金の貸切風呂を除き水着着用が必須。

大変人気の施設なので、休日は多くの訪問客で混雑するのが難点です。

それでも、朝一番に滑り込めばほとんど貸切状態で楽しめました。

Large Poolは明らかに塩素消毒されていましたが、火照った体には適したぬる湯でした。

泉質の異なる複数の自家源泉があるようで、プールにそれぞれその名前が冠されていました。

こちらの屋内プールはSoda(炭酸) Pool。

勢いよく投入される源泉には気泡が多く含まれ、湯口付近ではシュワシュワした浴感がありました。

こちらのプールはIron(鉄)Pool。

砂利敷きのプールの底に足元湧出の源泉があり、湯の鮮度がとくに優れていました。
Arsenic(ヒ素)Poolという、ぎょっとするような名前。

プールのサイズがもっとも小さいからでしょうか、先ほどのSoda Poolより顕著な泡付きが見られました。

泥風呂もありました。

コロイド状の泥で顔や体をパックして、年間340日も陽光に恵まれるニューメキシコで日光浴に興じるのは気持ちがいい。

こちらのプールはLithia(リチウム)Pool。
数多くの打たせ湯が設けられていました。

新しきを知る
ネイティブ・アメリカンの時代から、その類まれなる価値が認められてきた深緑色の湯。

有名な故事成語、温故知新の由来となった論語の一節をひも解くと、後半部分が省略されていることが分かります。
子曰わく、故きを温めて新しきを知る、以て師と為るべし。
つまり、米国最古の温泉に浸かり、現代にも通用する価値を知るだけでは足りないのです。
湯から上がったら、人を教え導くことが求められているのです。

そんなわけで、私は温泉情報を発信していきます。


まとめ
Ojo Caliente Mineral Springs Resort & Spa, Ojo Caliente, New Mexico, U.S.
私の好み
種類:日帰り、宿泊
ルール:水着着用
塩素消毒:あり(Large Pool)、感知せず(その他)
泉温:~44℃