ハワイ島キラウエア火山は、世界でもっとも安全に溶岩を観察できる場所の一つです。
その周辺では温泉が湧いています。
補足情報
2018年のキラウエア火山噴火の被害を受け、現在の様子と異なる部分があります。
オーシャン・エントリー
火山噴火は通常、爆発的な活動を伴い危険極まりないですが、キラウエア火山では溶岩の粘性が低いため比較的安全といわれています。
Dhilung Kirat - Lava Waterfall, Kilauea Volcano, Hawaii (2017)
CC BY-NC 2.0
ハワイ式噴火の場合、火口から噴出した溶岩はチューブを形成して地中を流れることが多いため、ドロドロの溶岩を間近に観察できるのは、一般的に海岸線となります。
火山活動の活発な時期は、この「オーシャン・エントリー」に遭遇できるかもしれません。
溶岩でできた露天風呂
オーシャン・エントリーの見られる可能性のある地点を、北東に約20km進むとポホイキという集落があります。
海岸付近はアイザック・ヘイル・ビーチ・パークという小さな公園になっており、サーフスポットであると同時に、ここからボートに乗って海から溶岩を眺めるツアーが催行されています。
赤い人家の前を通ってジャングルに分け入ります。
その前に、岩場に水たまりがあったので手を付けてみると……
温かい!
実は、キラウエア火山の地熱のために、周辺の地面が熱せられているのです。
熱帯雨林を進むことわずか5分、溶岩の色を映して黒々と見える露天風呂を発見。
泉温は約35℃のぬる湯。
海水がやや混じっている様子ですが、温泉らしい鉱物臭も感じられました。
プールの奥は溶岩チューブのような構造になっており、かつてはここで溶岩と海水が激しく衝突したのかもしれません。
来た道を振り返った時、およそ目に映るもので文明の所産といえるものは、自分の脱ぎ捨てた服ぐらいしかありませんでした。
1960年、町の真ん中が突然ひび割れて溶岩が噴出して以来、ここに温泉が湧いています。
地球を形作る壮大な時の流れの中で、この地が再びしゃく熱の溶岩に埋め尽くされることなど、ほんの一瞬の出来事なのでしょう。
まとめ
Isaac Hale Beach Park, Pahoa, Hawaii, U.S.
私の好み
種類:野湯
ルール:水着着用
塩素消毒:なし
泉温:~35℃