ヘンリー王子とメーガン妃が豪邸を構えるカリフォルニア州モンテシート。
そのただならぬ高級住宅街に、温泉が湧いています。
パンデミックで人気爆発
ロサンゼルスから国道101号線を通って、サンタバーバラまで約1時間半。
サンタバーバラの一つ手前の町が、モンテシートです。
あのヘンリー王子夫妻が居を構える超・高級住宅街は、あふれんばかりの緑の向こうから得体の知れない金のにおいがする、そういう場所。
その裏山に温泉が湧いていると聞きつけたので、行ってみました。
ホットスプリングス・キャニオン・トレイルヘッドという、そのままの名前の登山口を出発。
ここには無料の駐車場が設置されていますが、9台分しかありません。
21年3月までは隣接するRiven Rock Road沿いに駐車可能でしたが、パンデミックで温泉ハイキング人気が過熱。
地域住民とのトラブルが多発し、現在は路上駐車禁止の場所がほとんどになってしまったので要注意です。
往復5km弱の登山道は、いつも多くのハイカーでにぎわっています。
車道と並走するトレイル。
この車道はホットスプリングス・ロードと呼ばれ、山中の歴史的な遺構へと続いています。
米墨戦争中の1846年に兵士が訪れ、当時すでに温泉地として栄えていた記録が残っています。
その後リゾート開発が進んだものの1964年の山火事で焼失し、誰も事業を継ぐ者はいませんでした。
トレイルはやがて急な坂道の連続になります。
歩きやすい靴が必要です。
後半は登山道に沿って導水管が敷設されています。
これは富豪が飲料水としてたしなむ山の清水であって、温泉ではないとか。
道の終盤は左手の渓流を渡り、そのあと急坂を登り切ります。
この渓流、水は冷たいですが白濁しています。
温泉と何がしか関係がありそう。
随分と高い所まで来ました。
大富豪の住む町の向こうに、太平洋が見えます。
最上段のプールが狙い目
文末に「マハロ」なんて書かれた、それっぽい注意書きが見えたら温泉に到着です。
先ほどの渓流の水と同様、白濁していますがこちらは温かい。
山道の周辺では人肌程度ですが、上流へ遡るにつれて温度が上がっていきます。
流路は階段状に設けられた岩風呂で区切られています。
最上段まで来ると湯の色は透明です。
湧出後の酸化により白濁する泉質で、明確な硫化水素臭を放っています。
岩壁に突き刺さった鉄パイプから、源泉が激しく流出しています。
全体でここを含む2か所しか、湯の供給口は無いようです。
更に上流部は涸れ川が続いており、突如ここに温泉が湧く不思議。
このプールは44℃あるので、一般的にあつ湯への耐性がないアメリカ人は浸かろうとしません。
源泉を独占するチャンスです。
水着着用は任意ですが、あまりにも人気の温泉なので周囲への配慮は必要です。
徒歩圏内に住むヘンリー王子夫妻が、この名湯を楽しむことはまずないでしょう。
有名税とは、かくも高いものです。
まとめ
Montecito Hot Springs (Hot Springs Canyon), Montecito, California, U.S.
私の好み
種類:野湯
ルール:混浴
塩素消毒:なし
泉温:~44℃