全米に散らばるHot Springsという地名だけを頼りに、サウスダコタ州まで遠征。
それ、どこだって?
歴代大統領の顔が刻まれた、あの岩山のある州です。
街歩きが楽しい旧市街
4人の大統領の顔が岩山に刻まれたラシュモア山。
誰もが一度は目にしたことのあるこの観光スポットは、白人とネイティブ・アメリカンの抗争がとくに苛烈だった因縁の地にあります。
先住民が聖地としていたラシュモア山を含むブラックヒルズの南端に位置するのが、ホットスプリングス。
先住民が楽しんでいた温泉は、早くも19世紀後半から白人の観光資源として人気を博することになりました。
冬の朝はこのとおり、古い市街を貫くように流れる温泉の川全体から、幻想的な湯けむりが上がりました。
今日ではゴーストタウンと見紛うばかりの寂れ方をしているのが信じられないほど、魅力いっぱいの町。
キドニー・スプリングス公園にも足を運んでください。
日本風と評される歴史的なパビリオンの下に、飲泉所があります。
飲泉は温泉が医療行為の一端を担った時代の、重要な側面です。
口当たりのよい源泉は、涸れることがありません。
公園の南端で湯の滝が美しい虹を描いていました。
どれも泉温は低くぬるま湯程度ですが、街歩きのハイライトとしては極上でした。
足元湧出の巨大プール
エヴェンス・プランジは同市のランドマークといっても、誰も疑わないでしょう。
建て替えられているものの、1890年の創業以来営業を続けている温浴施設です。
2013年、運営が市に代わりました。
天井が高く開放的な受付。
入って左手に土産物屋がありました。
ホットスプリングスの象徴的存在として、いくばくかの観光需要を喚起しているようです。
二階にはフィットネスジムが完備。
地域の健康センターとしての存在意義が大きそう。
エヴァンス・プランジの偉大な歴史を説明するパネルを横目に、更衣室へと向かいましょう。
水着着用必須、貴重品類はコイン式のロッカーに預けます。
デデーン!どう見ても屋内プールです。
"Health Club"なる温浴槽のある小部屋もありましたが、工事中でした。
ウォータースライダーの上から巨大な構造物を一望。
北端にはファミリー向けの小プールがありました。
南端はもっとも深くなっていて、大人でも足が底に届きません。
このプールの何がすごいって、お気づきの方もいらっしゃると思いますが、底が全面砂利敷きになっていること。
勝手に湧き出る泉源の上に屋根を被せただけの、足元湧出泉なのです。
湧出量が膨大なため、1時間半でプール全体の湯が自然に入れ替わるとか。
このため塩素消毒は最低限で済み、私は実際感知しませんでした。
上がると少し肌寒く感じる程度の泉温、31℃。
屋外プールへと続く扉は閉鎖されていました。
もっとも、こちらは温泉的な面白味はなさそう。
マニア必見!こぼれ湯
冬季は湯けむりが上がるので発見しやすいですが、駐車場の裏手に湯が捨てられています。
コンクリートの斜面に開けられた大穴からの排水は、プールからのこぼれ湯かどうか定かではありませんが、29℃を記録。
どこかの物好きが、フォール川に突き出すような形で岩風呂を設けたようです。
湯量がすさまじく、一見の価値あり。
まとめ
Evans Plunge Mineral Springs, Hot Springs, South Dakota, U.S.
私の好み
種類:日帰り
ルール:水着着用
塩素消毒:あり
泉温:~31℃