アメリカで乳白色のにごり湯を求めるなら、自然とコロラド州にたどり着きます。
ホット・サルファー温泉は、日帰り入浴でもその名湯を堪能できる温泉宿です。
ホット・サルファー温泉の歴史
州都デンバーから北西へ2時間のドライブで、山あいの小さな町、ホット・サルファー・スプリングスに到着。
19世紀まで、ネイティブ・アメリカンのユート族が、療養目的で温泉を利用する場所だったといいます。
1863年、地元紙ロッキー・マウンテン・ニュースの創始者が、スー族から泉源を購入。
本来の所有者であるユート族ではなくスー族から購入した疑惑の取引であり、軍隊まで出動する大事件に発展したようです。
ちなみにロッキー・マウンテン・ニュースは2009年に廃刊となりましたが、温泉リゾートは変わらず営業しています。
貸切風呂に注がれる白濁の硫黄泉
貸切風呂からのぞいてみましょう。
二つある貸切風呂はどちらも内風呂で、左右対称の構造をしています。
余裕のある造りの脱衣室を抜けたところに、浴室があります。
真ん中に太い柱があるL字型の形状。
3人サイズの小さな浴槽に、神秘的な色に輝く、にごり湯が注がれています。
こういった白濁の硫黄泉はコロラド州に比較的多く、パゴサ(ヒーリング・ウォーターズなど)でも見られます。
参考ヒーリング・ウォーターズ・リゾート&スパ(パゴサ・スプリングス) - コロラド州の温泉
コロラドで温泉旅行を検討していたら、是非この宿を組み入れてほしい! リーズナブルなお値段で名湯を心行くまで楽しめる、至極の隠れ宿です。 目立たないモーテル コロラド州パゴサ・スプリングスは、濃厚な白濁 ...
露天エリアでは水着着用が必須なので、全裸で入浴するのなら貸切風呂が選択肢に入ります。
露天エリアに広がる浴槽の数々
大きな汽笛に驚かされます。
敷地のすぐそばが線路で、長大な貨物列車が行き交っています。
その度に大音響で汽笛を鳴らすので、旅情を誘うなんてものではありません。
宿泊する際には耳栓を持参してください。
そうでないと、深夜にたたき起こされることになります。
24もの浴槽・プールが、丘の下のそんなに広くないエリアに密集しています。
湧出点の泉温は52℃。
泉源は丘の上の方にあって、基本的には上に行くほどあつ湯、下へ行くほどぬる湯の設定になっています。
一番低い場所にあるこの辺りは、37℃程度の湯加減。
湧出してから冷却が進むまでの成分変化があり、青みが強く表れています。
ここから丘を徐々に登っていきます。
更衣室と内風呂がセットになった建物が、敷地の真ん中にあります。
広々とした内風呂には、浴槽が二つあります。
泉源が複数あるのか?内風呂の湯は泉質が少し異なるように感じました。
黒みがかって見えるのは、光の加減だけが理由ではないと思います。
宿泊棟の屋根に面したところまで、露天エリアは拡張を重ねたような風に広がっています。
出来合いのポリ浴槽もあり。
またあるものは、貸切風呂状の間仕切りで囲われています。
斜面がえぐられたような凹みに、ホット・サルファー温泉の象徴的な存在であるユート・プールがあります。
一度見たら忘れられない壮観!
自然の地形を活かし、野湯の雰囲気さえ漂っています。
一番高い場所にあるこの辺りでは、源泉は明らかに透明。
消しゴムのカスのような湯の花が舞っています。
温度は44℃程度で、体の芯から温まります。
この源泉は湧いたばかりだから白濁していないのか、そもそも泉源が異なるのか、判然としません。
事実はともかく、この透明なあつ湯に私はすっかり魅せられてしまいました。
強いアブラ臭と硫化水素臭が混じっていて、本当にいい湯だ!
まとめ
Hot Sulphur Springs Resort & Spa, Hot Sulphur Springs, Colorado, U.S.
私の好み
種類:日帰り、宿泊
ルール:水着着用、貸切風呂
塩素消毒:感知せず
泉温:~44℃