世界最大といわれる天然温泉プールは、アメリカのコロラド州にあります。
冬場はスキー客、夏場はウォータースライダー目当てのファミリー層でにぎわう一大観光名所です。
ホテル・コロラド
グレンウッド・スプリングスへは、州都デンバーから車で2時間半のドライブ。
車社会のアメリカでは珍しいことに、鉄道駅から徒歩で立ち寄ることもできるのも魅力です。
その小さな町は、Most Fun Town in America(アメリカでもっとも楽しい町)として知られています。
第26代大統領、セオドア・ルーズベルトが好んで宿泊したことで、かつてはリトル・ホワイトハウスと呼ばれたホテル・コロラドが今も営業しています。
狩猟の成果に恵まれず落胆したルーズベルトにホテルが贈った熊のぬいぐるみを、大統領の娘がテディと名付けたことでテディベアが生まれたとのうわさもあります。
グレンウッド・ホットスプリングス・ロッジ
壮麗なホテル・コロラドには、残念ながら温泉は引湯されていません。
一方、その東隣のホテル、グレンウッド・ホットスプリングス・ロッジが、世界最大といわれる温泉プールを備えています。
宿泊者は、プールの営業時間内(9~22時)であれば自由にアクセス可能。
ホテルの設備は古めかしく、好みの分かれるところでしょう。
温泉プールは、日帰りの客をターゲットとしている様子。
開店と同時に途絶えることなく多くの観光客が入場していきますが、それをも収容できる巨大な施設になっています。
プールは二つに分かれており、手前のラージ・プールが123m×30m。
奥に小さく見えるセラピー・プールが12m×30m。
その総面積で、プールの形態をした温泉として世界最大といわれています。
プール脇に、1888年開業の公衆浴場の建物(現在はエステ棟として活用)が残っていました。
ネイティブ・アメリカン(ユート族)が居住していたこの一帯は、ゴールドラッシュに伴い、1800年代後半には白人入植者によって支配されることになりました。
その時から、温泉リゾートとしての歴史を歩んできたというわけです。
ウォータースライダーが併設されたラージ・プールには33℃程度のぬる湯。
盛大に加水されて温泉らしさは感じられませんでした。
セラピー・プールは、40℃前後の適温になっていました。
多量の塩分を含むことから、湯疲れに注意が必要。
ただ、塩素消毒のにおいがあって源泉の良さを堪能できません。
施設の裏手で輝く泉源は、こんなにも魅力的なのに。
プール脇にひっそりと設置された飲泉所(?)では、塩素消毒はされていないようでした。
湯使いに難があるとは言え、ロッキーの山々を背景にやや白濁した湯をたたえる巨大プールは、見応えたっぷり。
まとめ
Glenwood Hot Springs Pool, Lodge & Spa, Glenwood Springs, Colorado, U.S.
私の好み
種類:日帰り、宿泊
ルール:水着着用
塩素消毒:あり
泉温:~51℃
ヤンパ・スパ&ヴェイパー・ケーブ
もっと温泉らしい硫化水素臭を楽しみたい人には、すぐ隣のヤンパ・スパがおすすめ。
洞窟に温泉の蒸気を充満させた天然のスチームサウナです。