北米屈指のスキーリゾート、アスペン。
その近隣に、周辺住民の反発に遭って廃業した温泉が今なお湧いています。
プロパガンダ・パイ
何も考えずに山間部のペニー温泉まで来たのはいいものの、腹が減ってきました。
温泉から車で10分弱のところにあるレッドストーンの集落で、ピザ屋を発見。

プロパガンダ・パイと名付けられたピザ屋。
四角いディープディッシュのデトロイト風ピザの専門店で驚きました。
そして美味い!

大盛りルッコラの下のリコッタチーズがフワフワで、新感覚。
どうしてこんなにレベルの高い店が山中にあるのだろうと不思議に思っていたら、アスペンが近いんですね。


いわくつきの温泉
セレブが集う高級スキーリゾート、コロラド州アスペンからペニー温泉まで車で1時間もかかりません。

グレンウッド・ホットスプリングス・プール方面から南下する州道133号線沿いの分かりやすい場所に、その温泉はあります。
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参考グレンウッド・ホットスプリングス・プール・ロッジ&スパ - コロラド州の温泉
世界最大といわれる天然温泉プールは、アメリカのコロラド州にあります。 冬場はスキー客、夏場はウォータースライダー目当てのファミリー層でにぎわう一大観光名所です。 ホテル・コロラド グレンウッド・スプリ ...

ハイウェイの路肩がクリスタル川に向かって広くなっている部分に、何台もの車が停められていました。

ペニー温泉は今でこそ野湯の様相を呈していますが、もともとはこの地域で小さなホテルを経営していたダン・ペニーの宿泊客に利用されていた歴史があります。
ペニーは男女別の湯小屋を作りましたが、1960年代のヒッピー文化の隆盛とともに宿泊客は混浴をするようになり、保守的な近隣住民の怒りを買いました。

そして住民たちはブルドーザーで湯小屋を壊し、泉源に岩石を投げ込むなどの破壊行為に及びました。

結局、郡当局の仲裁のもと、1990年代初頭に温泉は自然のままの姿に戻ることになりました。

そんな歴史的背景もあって、野湯とは言え水着着用が必須です。

もっとも、幹線道路沿いにあっていつも混雑しているので、全裸で入ろうとはなかなか思わないでしょう。

温泉付近の川の両側は、大ぶりの花こう岩が露出した崖になっています。

いくつかの岩の下から源泉が勢いよく流れ出していました。
泉温55℃もあったので、うっかり足を踏み入れないようにしたいです。

この熱湯を、先客が残した岩風呂の数々の中でクリスタル川の水と混ぜて入浴。

川の水が澄んでいたので良かった。

泉源付近ではかすかに金気臭を感じましたが、加水後はほとんど無臭になっていました。

アスペンから流れてきたのか多くの入浴客や見物客でごった返していましたが、もうもうと立ち昇る湯けむりの中にすべてがかき消されようとしていました。

まとめ
Penny Hot Springs, Redstone Historic District, Colorado, U.S.
私の好み
種類:野湯
ルール:水着着用
塩素消毒:なし
泉温:~55℃