広大な荒野で水着を着てもよし、着なくてもよし。
露天風呂の脇をクジャクが我が物顔で歩いている、ゆるい雰囲気の温泉宿です。
水着着用エリア
州間高速道路10号線をデミングで降り、北西へ30分のドライブ。
ちなみにデミングは1800年代後半には「ニュー・シカゴ」と呼ばれるほど発展を期待された町でしたが、現在は見てのとおりの寂れようです。
フェイウッド温泉はシティー・オブ・ロックス州立公園の南に位置していてアクセス良好。
当地の歴史はきわめて古く、スペイン人が到達する前のミンブレス文化の先住民に利用されてきた痕跡が残っています。
温泉宿が初めて建設されたのが1859年。
隣町デミングが隆盛を極めた時代には「ニューメキシコ準州でもっともファンシーな宿」と記録されています。
ホテルは徐々に人気を失い、1952年には取り壊され、ようやく再開発されたのが1993年。
現在、日帰り入浴に加え宿泊オプションとしてキャビン、RVパーク、キャンプ場があります。
敷地は小高い丘の下に広がっています。
この丘は、温泉成分が悠久の年月を経て堆積した石灰華ドームです。
頂上にはシンボリックな貯湯槽が林立しています。
まずは、日帰り入浴可能な水着着用(Clothing Required)エリアから見てみましょう。
全てのエリアは屋外にあり、木柵で仕切られていますが広々としています。
このエリアの浴槽は全部で三つ。
フェイウッドの浴槽内は、大概どれも階段状に作られています。
源泉は黄色みを帯びていて特段のにおいはありません。
湧出量が十分にあって、塩素消毒なしの掛け流しの様子。
混浴エリア
次に、日帰り入浴可能な混浴(Clothing optional)エリアに移ってみましょう。
このエリアも、やはり三つの浴槽のコンビネーション。
フェイウッドが他のClothing optionalの温泉と一線を画するのは、このエリアの内側にもキャビンとキャンプ場がある点です。
どういうことかというと、寝泊まりしている部屋から風呂場に全裸で行っていい。
もちろん風呂場から部屋に戻るのも全裸でいい、ということです。
私が泊まったのは「カシータ」というもっとも安価なキャビン。
ソファがぎりぎり一つ収まるサイズで、夜はソファを展開してベッドにします。
寝心地は簡易ベッドの域を出ませんでしたが、温泉へのアクセスは最高でした。
貸切風呂エリア
貸切風呂は全部で五つあり、日帰りでも基本的に1時間$34.00(執筆時現在)で利用できます。
宿泊の場合は、貸切風呂の1時間の利用が料金に含まれていました。
円形のWatsu Iは、熱い湯が好きな人におすすめ。
湧出点で泉温54℃の源泉は、浴槽内では38~42℃に保たれていますが、個人的には湯疲れしやすいと感じます。
Jalapenoは小さなポリバスの湯です。
こちらはBlue Moon。
日除けの下にあるので昼間の直射日光を避けられます。
Big Dipperの湯加減はぬるめですが、大きな浴槽は魅力的。
最後にWatsu IIは最大25名で貸し切りでき、1時間$108.00。
宿泊者限定エリア
大半の宿泊施設は混浴エリアの外にあります。
そこには木柵で囲われた宿泊者限定のプールがあって、その内側だけClothing optionalです。
シャワーが隣接して設置してあるのはうれしいですね。
プールは四つに区切られていて、順繰りにオーバーフローさせることにより細かな温度設定を実現。
小さな湯たまりは足湯。
浴槽が丁寧に面取りされていて、こだわりが感じられます。
この温泉宿に流れる、ゆるくも刺激的な空気感を少しはお伝えできたでしょうか?
まとめ
Faywood Hot Springs, Faywood, New Mexico, U.S.
私の好み
種類:日帰り、宿泊
ルール:混浴、水着着用、貸切風呂
塩素消毒:感知せず
泉温:~54℃