ニューメキシコが「魅惑の地」たる所以の一つ。
誤情報と、自身の準備不足により危うく遭難しかけました。
下調べは入念に
ヒラ国有林に点在している野湯のうち、ターキー・クリーク・ホットスプリングスへの到達難易度は群を抜いて高いといえます。
まず、ヒラの集落からTurkey Creek Roadを北東へ進みます。

未舗装になった後はぐんぐんと高度を上げ、ブロック・キャニオン・ホットスプリングスへの分岐点を直進。
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参考ブロック・キャニオン・ホットスプリングス - ニューメキシコ州の温泉
当ブログで紹介している温泉の中でも、もっとも知られていない部類に入ります。 廃鉱山の点在する山深くに湧く、ミステリアスな温泉です。 第二次世界大戦の遺構? 今回は、ヒラ国立森林公園から西方向に流出する ...
路面は荒れており、ロードクリアランスの高い車が求められます。
ダート道はヒラ川と交差する形で続いていましたが、車両での渡河は高リスクのため断念。

周辺は無料のキャンプサイトになっていて、数台のピックアップトラックが駐車していました。
ここから往復18kmの登山となります。
経験者なら日帰りでの旅程は可能かもしれませんが、後半は本格的な沢登りで時間がかかるので、最初からテント泊のつもりで準備した方がよいでしょう。

ヒラ川を歩いて三度渡った後は、支流のターキー・クリークに沿って北上しました。
ここまでは比較的簡単ですが、スタート地点から7kmほど歩いた地点に最初の難関がありました。

登山道は渓流から西に逸れて、スケルトン・キャニオンの尾根を上がり始めますが、そこまで行ったら道を誤ったことになります。
進行方向右手に目を光らせ、並走する渓流に向かう横道を探してください。

分かりやすい目印は存在しませんので、下調べは入念に。
実際のところ私は誤って元のトレイルを直進し、おかしいと思って尾根を外れて沢まで下りた地点は、温泉よりずっと先の場所でした。


本格的な沢登り
そのため、写真は実際に撮影した時系列とは逆に並べています。

横道に入った後は約2km、ターキー・クリークの上流を目指すだけ。

とは言え、トレイルは鉄砲水で消失していました。
沢の水に腰まで浸かり、巨岩をよじ登り、ひたすら突き進む困難の連続。

なお、Googleマップ上のターキー・クリーク・ホットスプリングスのGPS情報は、過去から間違っています。
実際はより登山口に近い場所にありますが、それも私が道に迷った理由の一つです。

増水すると危険なので、初春の雪解け水と夏の降雨には特に注意が必要。

上流へ進むにつて、沢の水全体の温度が上がっていくのが感じられました。
この辺りは42℃程度の適温。

もともと黄色みを帯びていた沢の水は、より着色が濃くなってきました。
特段の臭気は感じられませんでした。

川原には無数の泉源が点在し、地表がオレンジ色に染まっていました。

泉温74℃のため、危険なほど高温の湯だまりも見られました。

手つかずの、本当の意味での魅惑の地。

帰路にはマウンテンライオン(ピューマ)に、至近距離で遭遇したことも申し添えておきます。
まとめ
Turkey Creek Hot Springs, Gila National Forest, New Mexico, U.S.
私の好み
種類:野湯
ルール:混浴
塩素消毒:なし
泉温:~74℃