馬の背に乗って山中に分け入るような秘境の地、ヒラ温泉。
牧場では、思いのほか清潔な天然温泉を貸切利用できました。
ヒラ温泉で代々続く牧場
ニューメキシコ州ヒラ岩窟住居国定公園へ向かう山中で、最後にあるガソリンスタンドがドク・キャンベルズ・ポスト。
先住民の岩窟住居を国立史跡に制定させるのに尽力したドク・キャンベルが、1963年に開業した雑貨店です。

州道15号線を挟んでその反対側にあるのが、ドクが1940年に購入して現在も彼の親族により維持管理されているヒラ・ホットスプリングス・ランチ。

この施設はその名のとおり牧場ですが、一般にRVパークとして知られています。
未舗装の敷地内に入ってすぐのところにあるのが受付。

ここから一番近いキャンピングカーに管理人が住んでいました。
RVサイトは州道に平行している私道の両側に、縦列駐車するような形で設けられています。

立派な並木が続いていて壮観。
日帰り入浴できるか聞いてみたら不可とのこと。

テント泊なら$13.50(執筆時現在)だと言うので、あまりの安さにびっくり。
泊まる予定もないのに一泊分の料金を支払い、施設を利用してみることにしました。



大きなあずまやの下に調理スペースを発見。

この赤い建物は貸しアパート。
全三室でキッチン付きのようです。

敷地の奥には牧場が広がっていました。
馬やラバなどの家畜が飼育されていて、レンタルできます。

ヒラ国有林の深い自然の中に分け入るには、今日でも家畜の背中に乗って行くのが便利というわけです。

バスハウスの近くにテントを張るといい、といわれたのでやってきました。
シンプルな温泉ジャグジー

各RVサイトには温泉が引湯されていますが、テント泊の場合に温泉を利用したいならバスハウスだけが頼りです。
チェックイン時に教えてもらった暗証番号で一つ目の扉を開錠。

左手に二つの清潔なシャワールーム。

その奥に二つ目の扉があります。
これこそが先着順で貸切利用できる温泉ジャグジーなのです。

四方をレンガで囲まれた中庭に、タイル張りのプールが一つ。

自由に操作できるジャグジー用の機器が置いてあるだけのミニマルな空間です。

プールは最初ブルーシートで覆われていて、これを端に取り付けられたローラーで巻き取りました。

浴槽内の温度は42℃。
無味無臭の湯は浴槽の底から投入され、水面付近で排出されている様子。

近隣のヒラ・ホットスプリングス・キャンプグラウンドでは、60℃で湧いたままの源泉を使用しています。
それに比べるとこちらは加水されているのかもしれません。

温泉ファンとしては面白みに欠ける印象を拭えませんでした。
しかし、この秘境的な立地で清潔な天然温泉に浸かれるのは貴重でしょう。

まとめ
Gila Hot Springs Ranch, Silver City, New Mexico, U.S.
私の好み
種類:宿泊(RVパーク)
ルール:貸切風呂
塩素消毒:感知せず
泉温:~42℃