ニューメキシコ州北部、豊かな自然に囲まれた高地に、ネイティブ・アメリカンの伝統的な集落があります。
世界遺産に登録されている住居のすぐ近くに、温泉が湧いているという事実は見逃せません。
タオス・プエブロ
ネイティブ・アメリカンのタオス族の住居、タオス・プエブロは1,000年以上前に建てられた歴史的建造物。
この地域でよく見られるアドビ様式(日干しレンガを使った建築)の元祖のような構造をしています。

そして驚くべきことに、今日でも150人ほどの住民が電気・水道が無いにもかかわらず生活する現役の「団地」なのです。
タオス・プエブロ周辺の豊かな自然は、人々がこの地に集住した理由を示していました。
黒い岩が点在

タオス・プエブロから約30分のドライブ、後半はダート道。
ジョン・ダン・ブリッジの辺りで車を降りました。

この周辺では、リオ・グランデ川が深い渓谷をなしていました。

急斜面沿いの道を20分ほど歩くと、周囲には黒い岩石が増えてきました。

その岩には、溶岩が冷えて固まったときに形成される小さな穴がたくさん。
過去の火山活動のためと思われます。

先に進むにつれて岩の大きさはしだいに大きくなって道を阻み、それ以上進めなくなる地点までたどり着くと、おもむろに野湯が出現しました。

岩陰では全裸の婦人が湯浴み中。


入浴ルールはClothing optional(水着着用は任意)のようなので、こちらも水着を付けないことにしました。

4月の早朝の訪問でしたが、高地のため気温は氷点下。
寒さに震えながら湯に足を付けると、入浴するのに十分な温度がありました。

無色透明の源泉ですが、独特の鉱物臭がありました。
岩の色が反射して湯は墨色に見えました。

湯だまりは端の部分でリオ・グランデ川と同化していました。
少々残念だったのは、この流路のために岩風呂の中の湯の入れ替わりが十分とは言えませんでした。

岩間にある湯口から少し離れるとよどみ、藻が繁殖している場所もありました。
泉質自体は火山帯の温泉特有の優れたものを予感させるだけに、川の水による加水の流路を工夫できればよいのですが。
まとめ
Black Rock Hot Springs, Arroyo Hondo, New Mexico, U.S.
私の好み
種類:野湯
ルール:混浴
塩素消毒:なし
泉温:~41℃