1ドル硬貨の肖像のモデルに選ばれている、ネイティブ・アメリカン女性サカジャウィア。
その栄誉ある名前を冠した野湯です。
ソートゥース・ロッジ
アイダホ州道21号線、ロウマンとスタンレーのおよそ中間地点。
ここから未舗装のGrandjean ロードに入ります。

その名称は1883年に当地に入植したデンマーク人の森林官、Emile Grandjeanに由来しています。
ダート道の状態は良く、すれ違いも容易。

道路はソートゥース・ロッジまで続いています。
温泉を引湯したプールを備えたロッジおよびキャンプ場です。

右手のサウス・フォーク・ペイエット川と道が並行し始めたら、そこがサカジャウィア温泉。

ところどころ路肩が広くなった部分に車を停められます。

ロッジからそう遠くないので、歩いて遊びに来ている宿泊者も多いようです。
土手を下ると、路面の下から大量の温水が流出しているのを発見。

泉温65℃、火傷するほどの高温です。

湯は無色透明ですが、源泉が湧いている場所の地面は鮮やかに変色しているのですぐ分かります。

サカジャウィアのすごいところは、この地点から東へ200mほど源泉地帯が続くこと。

川原を歩いていれば延々と泉源が見つかります。

ちなみにサカジャウィアとは、北アメリカ大陸を太平洋へ陸路での探検をして帰還した最初の白人アメリカン人、ルイス・クラーク探検隊を導いたネイティブ・アメリカン女性の名前。

ここからさほど遠くないアイダホ州サーモンで生まれたようですが、この温泉との歴史上の関係はなさそう。
「良いインディアン」としての彼女の威光にあやかった命名と推測されます。

源泉が高温のため、川の水で大胆に加水しなければ入浴できません。
温泉ファンとしては普段なら減点したくなるポイントですが……

そんな評価を下そうとしている自分が、はなはだ愚かに思えるほど清く澄んだ流れです。


美しすぎるのも考え物
ソートゥース・ロッジの手前で川が直角に曲がっている周辺が、源泉地帯の東端。

現役で稼働している源泉井戸がありました。

ロッジへの引湯のために設けられていると思われます。

それにしても息を呑むほど美しい渓流です。

温泉ばかりをしらみつぶしに訪ねてきた私がふと我に返り、本当は何に価値があったのかを考えさせられる光景でした。

まとめ
Sacajawea Hot Springs, Boise National Forest, Idaho, U.S.
私の好み
種類:野湯
ルール:混浴
塩素消毒:なし
泉温:~65℃