コロラド州では珍しい混浴の温浴施設。
ヌーディストだけのものにしておくにはもったいない、まっとうな温泉です。
日帰り入浴歓迎の老舗宿
ほったらかしの野湯はさておき混浴(Clothing optional)の商業温泉は、ハービンなど、なぜか西海岸に集中しています。
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参考ハービン・ホットスプリングス - カリフォルニア州の温泉
破壊と再生を繰り返す温浴施設。 西海岸ニューエイジ系温泉の筆頭、ハービン・ホットスプリングスは、3年の沈黙を経て復活しました。 山火事からの復活 毎年のように山火事が自然発生するカリフォルニア州でも、 ...
内陸部の例外はコロラド州にいくつか見られ、オーヴィス温泉はその一つ。

アメリカの歴史ある温泉同様、当地の黎明期も混とんとしています。
1876年、サラ・オーヴィスと彼女の夫が不法占拠を開始。

1881年、先住民がユタ州に強制移住させられ、温泉は名実共に夫妻のものとなりました。
1919年、ザ・オーヴィス・プランジとして温浴施設が創業。

その後オーナーが代わり、一時は荒廃したものの2015年、オーヴィス家が経営権を再取得し今日に至ります。
現在はB&B形式の客室とキャンプ場、そして日帰り入浴が事業の中心になっています。

とくに日帰り入浴に力を入れているようで、クイック・ディップなる割引を導入しています。
これは大人入場料金$22.00を支払った後、1時間以内に退場した場合は$4.00が返金されるシステムです(執筆時現在)。

内風呂と貸切風呂
ひとたび男女別の脱衣所を出れば、基本的に水着着用は任意となりますが、内風呂は昼間時間帯だけ水着着用が必須。

「ザ・インドア・プール」と呼ばれるこちらのプールは、湯口付近の構造と一体になった壁画に囲まれています。

37℃のぬる湯が天井付近から掛け流され、室内に水音が響いています。

屋内には貸切風呂が二つあり、先着順で利用できます。

「プライベート・タブ1」は玉砂利が敷かれた底面が特徴的。

「プライベート・タブ2」は木の香りがうれしい、シンプルな浴槽です。
露天風呂を裸で闊歩

屋外は庭園のようになっていて、入浴できるスポットが点在しています。
近隣への配慮のため全周が高い塀で囲まれていますが、敷地が広大なので圧迫感はありません。

「コールド・プランジ」は水風呂です。
その横にあるサウナと一対での使用が想定されています。

「ロブスター・ポット」は施設でもっとも熱い46℃に保たれています。

源泉はあっさりとした無色透明で、後ほど訪れる浴槽群とは明らかに異なった性質を示しています。

石造りの歩道に沿ってたくさんの観葉植物が整備されています。
まるで植物園を全裸で見て回るような、不思議な感覚。



「ザ・ポンド」は自然のままの形状がよく残されたメインプールです。
Orvis Hot Springs
源泉は木製の樋から流入するのに加えて、足元からの湧出もあります。
トラバーチンによって小さく区切られた場所では冷鉱泉の湧出も見られ、見どころの多いプールです。

すべての浴槽を紹介できたわけではありませんが、私が一番気に入ったのは「アイランド・ポンド」です。

金気臭を放つ湯が高い位置からふんだんに投入されています。
52℃で湧出する褐色の源泉は、施設でもっとも湧出量の多い泉源からのものです。

美しい庭園内を歩き回るヌーディスト達には驚かされますが、オーヴィスは決して色物扱いされるべき温泉ではありません。
力強い源泉と確かな湯使いに裏打ちされた、至極まっとうな温泉なのです。

まとめ
Orvis Hot Springs, Ridgeway, Colorado, U.S.
私の好み
種類:日帰り、宿泊
ルール:混浴
塩素消毒:感知せず
泉温:~46℃