近年もっとも大胆なリノベーションが行われた温泉リゾートの一つ。
ミネラル豊富な源泉は健在でした。
デュランゴ・アンド・シルバートン狭軌鉄道
米国では数少ない、蒸気機関車の運行が通年行われているデュランゴ・アンド・シルバートン狭軌鉄道。
Mike McBey - Durango-Silverton Railroad (2013) CC BY 2.0
鉱山鉄道として始まり、閉山後に残された72kmの区間は、デュランゴ観光の目玉として人気があります。
目を見張る大改造
蒸気機関車が走る線路の真横にあるのが、デュランゴ・ホットスプリングス。
2019年にオーナーが変わってリノベーションされる前は、トリンブル・ホットスプリングスとして知られた歴史的なスポットです。
入浴はオンライン予約制で、訪問時は2.5時間$39.00。
私は改修前にも来たことがありますが、古き良き温泉プールといった以前の姿が、先進的で商業的な雰囲気に変貌していて驚きました。
男女別の更衣室の外にある貸しロッカーの自動チェックイン機。
屋外の温浴スペースでまず目を引くのが、鉱山機械を模したタワー。
定期的に大量の温泉が流し落とされる仕掛けで、周囲の地面は温泉の析出物で彩られていました。
子供も利用できるスイミング・プールは、なだらかな曲線を描くデザインに一新されていました。
プールではしゃぐ子供を監視しながら親も本格的な温泉を堪能できるよう、温浴槽が配置されていました。
広々とした芝生には、一人サイズの浴槽から源泉があふれ出していました。
湧出量の豊富さがうかがい知れます。
源泉が流れ落ちてきた辺りは、フードカートの並ぶ飲食スペースになっていました。
実はこの広場、リノベーション前に温泉プールがあった場所なんです。
これは当時の写真ですが、この時から泡付きのある源泉の素性の良さに感動していました。
施設の前身であるトリンブル・ホットスプリングスは、1882年創業。
ネイティブ・アメリカンのユート族が親しんでいた温泉を利用して、入植者フランク・トリンブルが温泉宿を建設しました。
往時は鉄道駅が隣接し、酒場、ビリヤード場、ダンスホールを備えていたようです。
1950年代にはマリリン・モンローが映画の撮影で滞在するなど繁栄を極めましたが、度重なる火災で焼失。
1957年の大火を最後に約30年間、トリンブル・ホットスプリングスの存在は忘れられました。
その後息を吹き返した施設が、2019年以降のコロナ禍の間に大変革を遂げたのは先に述べた通りです。
今回の改造では、22もの小ぶりなプールが設けられたのが最大の特徴です。
斜面に面した大人専用のエリアにそれらプールが密集していて、さながら先着順で利用できる貸切風呂のように使われていました。
その他に日本にインスパイアされた小浴槽など、まだまだ改修が進行中で利用できないエリアもありました。
あまりにも多くのものが真新しく変わってしまうと、一抹の寂しさを覚えるのも確か。
ただ、聞こえてくる機関車の汽笛と、金気臭を伴う優れた泉質は思い出のままでした。
まとめ
Durango (Trimble) Hot Springs Resort & Spa, Durango, Colorado, U.S.
私の好み
種類:日帰り
ルール:水着着用
塩素消毒:感知せず
泉温:~49℃