温泉の宝庫ともいうべきコロラド州の中でも、パゴサ・スプリングスは群を抜いています。
その強烈な泉質は正にギネス級。
世界でもっとも深い温泉
「パゴサ」とは、ネイティブ・アメリカンのユート族の言葉で、硫黄を含む水を意味します。
ザ・スプリングス・リゾート&スパはこの町を代表するホテル兼日帰り入浴施設です。
日帰り入浴は$26.00から$53.00(執筆時現在)まで、入場可能なエリアなどによって様々なプランがありますが、今回は併設のホテルに宿泊し、その特典として心行くまで湯浴みを楽しみたいと思います。
何しろ、デンバー空港から車で5時間、アルバカーキ空港から3時間半の僻地にあり、気軽には行けないのです。
宿泊料金はもっともグレードの低い部屋でも一泊$240.00しました。
ベッドルームは小奇麗なモーテルといった風情で、日帰り入浴料金込みとは言え、割高な印象。
まず見ておきたいのがホテル裏手に位置する源泉池です。
青い湯がぐつぐつと煮えたぎる源泉は直径11メートルほど、深さは305メートルあり、物理的に計測可能なものでは世界でもっとも深い温泉としてギネス世界記録に登録されています。
珠玉の浴槽群
62℃で湧出するこの泉源を中心に、様々な湯が23もの露天風呂あるいはプールに配湯されています。
温浴エリアはすべて屋外にあり水着着用必須。
敷地内のマップには、各浴槽内の温度が随時書き換えられて表示されます。
敷地の中央付近に巨大なモニュメントのように鎮座しているのが、温泉成分が凝固した石灰華ドームです。
白煙を上げる頂上付近から温泉が自噴しています。
ドームにもっとも近い浴槽、Overlookは44℃の熱めです。
ここからは敷地の全景を眺められます。
ドームから流れ落ちた湯はGolden Pondという池に注がれ、そこに鯉が泳いでいます。
池は遊泳禁止ですが、真ん中に橋が架けられています。
この橋は、水面下に少しだけ沈んでいます。
池を渡ってたどり着く浴槽がThe Cliffsで、温度は40℃。
温泉成分の堆積物できた崖下にあり、野湯のようなワイルドさを楽しめます。
湯は無色透明ですが、消しゴムのカス状の湯の花が大量に舞っています。
庭園風の敷地からサン・ファン川を見下ろす浴槽、Boulderもなかなか魅力的です。
温度は38℃のぬる湯で、うっすらと白濁しています。
川のそばにある浴槽の一つ、Paradiseは44℃の熱め。
強い硫化水素臭を伴い、塩素消毒の嫌なにおいはありません。
リラクゼーション・テラス
もっとも高い日帰り入浴料金を払った客と宿泊客は、18歳以上であればリラクゼーション・テラスという特別エリアにも出入りできます。
その中にある五つの浴槽はとくに濃いにごり湯になっています。
たとえばこちらの浴槽は、Cozy Cove。
39℃で長湯できますが、含有成分が多く湯疲れしやすいため、定期的に川風に当たって涼むのがよいでしょう。
42℃で適温の浴槽、River Bendでは白濁の湯がサン・ファン川に向かってインフィニティ・プールのごとく流れ落ちています。
さて、数ある浴槽の中で私がもっとも感動したのは、特別エリアの湯ではありません。
川原に突き出た岩風呂、The Burg。
灰色に濁った温泉は、川の底から自噴している足元湧出で、濃厚なアブラ臭を伴い明らかに泉質が異なります。
50℃近い泉温のため一瞬しか入浴できませんでしたが、満足感は突出していました。
まとめ
The Springs Resort & Spa, Pagosa Springs, Colorado, U.S.
私の好み
種類:日帰り、宿泊
ルール:水着着用
塩素消毒:感知せず
泉温:~58℃