メキシコの最大の魅力は、良くも悪くも大らかなその文化にあると思います。
とりわけ温泉についていうと、メキシコ特有の大らかさがワイルドな源泉掛け流しを実現していることが多いと感じています。
グアナファト
スペイン植民地時代の雰囲気を色濃く残すコロニアル都市、グアナファトは世界遺産に登録されています。
18世紀には世界で産出する銀の3分の1を供給したというこの街は、宝石箱をひっくり返したような魅力あふれています。
露天風呂には少々がっかり
グアナファトの市街から1時間のドライブ。
レオン空港の近くに、メキシコ国内で広く展開するホテルチェーン、ミシオングループのホテルがあります。
チェックイン時にトラブル発生。
客室のオートロックが壊れていて、扉を開けるには毎回係りの者を呼んでほしいといわれました。
チップ欲しさにうそをついているのではないかと、最初は不審に思いました。
が、どうやら本当に全室壊れており、広い敷地内をスタッフが死に物狂いに走り回っていました。
これがメキシコ・クオリティ、どこか憎めません。
屋外の大きなプールにも加水された源泉が注がれていますが、温泉らしさは感じられませんでした。
それにファミリー向けでちょっと騒がしい。
ホテルの裏手にある源泉井戸を見てみました。
右手のプールは枯れて汚れていますが、左手の井戸からは、源泉がボコボコと湧き出る音が聞こえました。
周囲には火山ガスを伴う熱気がムンムンとたちこめ、野生のリスがスチーム浴を楽しんでいました。
この辺りにスパ利用者限定の露天風呂がありますが、普通の宿泊客は利用できません。
もっとも新鮮な源泉を楽しめるはずの場所で入浴できず、残念な気持ちになりました。
凄まじい部屋の風呂
客室に戻り、部屋に付属する内風呂に浸かってみることにしました。
蛇口をひねると秀逸な泉質の湯が飛び出し、あらゆる不満が吹っ飛んでしまいました。
アブラ臭と硫化水素臭を伴う熱湯は、メキシコの温泉にありがちなことでコンディションがきわめて不安定。
写真では黒い湯の花がコロイド状に溶け込んだにごり湯ですが、完全な透明になることもありました。
自然に湧出するがままの温泉を掛け流す、ワイルドな魅力に満ちていました。
まとめ
Mision Comanjilla, Silao, Guanajuato, Mexico
私の好み
種類:宿泊
ルール:温泉付き客室、水着着用、貸切風呂
塩素消毒:感知せず
泉温:~60℃