シカモア温泉は在米日本人にもっともよく知られている温泉の一つ。
この温泉宿は、日本人が故郷の温泉を夢見るのに十分な魅力を備えています。
予約時に注意
L.A.から太平洋岸を北西へドライブすること3時間。
カリフォルニアワインの産地でもあるサン・ルイス・オビスポは、ブドウ畑の広がる田園地帯です。

この町にあるシカモア温泉は、石油掘削中に掘り当てられた自家源泉を備えたラグジュアリーホテルです。
日帰り入浴も可能ですが、個人的にはわざわざトライする必要はないと思います。
日帰り客向けの貸切露天風呂は、森の中にあって雰囲気は良いのですが塩素消毒の臭いが強烈。

米国の多くの州では、不特定多数の人が浸かる浴槽は法規制上、プール同様の扱いとなって消毒が義務付けられているためです。
一方、宿泊客は客室に付属する貸切露天風呂で掛け流しの名湯を楽しめます。
ただ、その予約時に絶対に間違えてはいけない事項があります。

温泉特有の臭いはアメリカの一般的な客層には好まれないため、グレードの高い客室ほど加水されて温泉らしさを失っている逆転現象が起きているのです。


Adventure、Harmony、またはMythicalと名付けられた三つの古い宿泊棟だけが掛け流し。
今回の宿泊はMythical。

ベッドルーム奥のテラスは山の斜面に接していて、ここに浴槽が一つ設置されていました。
一晩寝かせる
既製品のジャグジーに風情のかけらもありませんでしたが、湯口から飛び出す源泉はホンモノ。
焦げたような匂いも伴う硫化水素臭を放ち、きわめて良質な日本の温泉を思い出しました。

なお、騒音防止のため温泉に入れるのは7~23時の間だけ。
貯め湯にして静かにしていればばれませんが、せっかく貸切風呂付きの部屋に泊まるなら気兼ねなく温泉を楽しみたいと思いました。

湯口で47℃の湯は当初こそやや黄色みを帯びて見えましたが、一晩寝かせると成分変化により美しく白濁。

そのままではさすがに冷え切っていましたが、新湯を少々追加してやれば朝風呂には非の打ちどころのないにごり湯を堪能できました。

まとめ
Sycamore Mineral Springs Resort & Spa, San Luis Obispo, California, U.S.
私の好み
種類:宿泊、日帰り
ルール:温泉付き客室、貸切風呂
塩素消毒:あり(貸切風呂)、感知せず(その他)
泉温:~47℃