幹線道路の真横にあるのに、この温泉の存在に気づくのは難しいでしょう。
急斜面の中腹に湧いている「天空の野湯」です。
おひとり様専用
アイダホ州の州都ボイジーから北へ延びる州道55号線。
これを右折してバンクス・ロウマン・ロードに入った目と鼻の先にあるのが、ディアー・クリーク温泉です。
ペイエット川とハイウェイ以外には何もないV字谷の底。
道路脇が少し広くなっている箇所が目印です。
この駐車スペースは、かつて存在したスキニー・ディッパー温泉という人気の野湯に向かうために設けられたものです。
そちらの温泉は、利用者の度を越した悪行を理由に2016年、土地管理局により破壊・閉鎖され再開の目途は立っていません。
例の駐車場にもスキニー・ディッパーが閉鎖されている旨の掲示しかないので、ここまで来て諦める人も多そうですが、実はもう一つの温泉が存在しているのです。
起点は同じ、道路の反対側。
下草で覆われた斜面を登り始めて最初のヘアピンカーブで、敢えて右の獣道に逸れます。
そのまま急斜面を登り切ったら、2分もかからないうちに到着。
場所さえ知っていたら、こんなにアクセスしやすい野湯も珍しい。
コンクリートで作られた一人用の浴槽が現れました。
親しい二人ならぎりぎり入れるかもしれません。
非常に小さな浴槽ながら、内側にタイルが貼られたりして丁寧に作られている様子。
湯口は操作しやすい蛇口。
これをひねると、63℃の無味無臭の源泉が飛び出してきました。
そのまま注ぐだけでは熱くなりすぎてしまいます。
一方、浴槽が小さいので湯もみしてやることで、比較的簡単に温度が下がるのは良い点です。
見晴らしのよい泉源
源泉は斜面の更に上の方から引湯されていました。
パイプをたどって行くとすぐに泉源を発見。
小さな滝のようになったところから、熱湯が流れ落ちていました。
それを受け止めるバケツから引湯管が延びています。
何とシンプルで、実効性の高い機構なのでしょう。
滝の前には、いかにも入浴できそうな湯だまりが形成されていました。
ただし高温の源泉が常にこぼれ落ちてくるので、入浴不可。
浴槽が設けられている位置より更に開けているので、眺望は抜群。
「天空の野湯」から下界を眺めているような風景に気分が高揚しました。
まとめ
Deer Creek (Bronco Billy) Hot Springs, Garden Valley, Idaho, U.S.
私の好み
種類:野湯
ルール:混浴
塩素消毒:なし
泉温:~63℃