当ブログでは、ワイオミング州サーモポリスの素晴らしさをたびたび紹介してきました。
サーモポリスを骨の髄まで楽しむために、こんなマニア受けしそうな温泉も訪れてみては?
妙に立派な石階段
温泉や間欠泉であまりにも名高い、イエローストーン国立公園が主に立地しているのは、ワイオミング州。
イエローストーンではほとんどの場所で入浴禁止なので、同州サーモポリスにあるホットスプリングス州立公園の方が、温泉好きには楽しめるかもしれません。
公園内にはステート・パーク・バスハウスや様々な温浴施設、巨大な石灰華ドームを眺める遊歩道などが整備されていて魅力いっぱい。
参考ホットスプリングス・ステート・パーク・バスハウス(サーモポリス) - ワイオミング州の温泉
間欠泉が世界的に有名なイエローストーン国立公園に、残念ながら入浴施設はありません。 しかし、そこから少し離れた場所に、ワイオミング州の運営する無料の公衆浴場があります。 ホットスプリングス州立公園 ア ...
ホワイト・サルファー温泉のことなど、ほとんどの観光客が気に留めていないことでしょう。
この温泉は、バッファローの群れが見られる公園の北部に位置しています。
ビックホーン川に面して見晴らしのよい空き地に車を停めます。
この駐車場の山手に、"Green Eye"と呼ばれる特異な析出物が点在しています。
源泉はすっかり枯れていますが、悠久の時を経て温泉成分が美しい年輪を刻んだ地形です。
さて、目立たないながらもホワイト・サルファーは公園の見どころの一つなわけで、案内板あり。
1890年代には当地に浴場があったが、1899年に全焼したと書かれています。
1900年ごろの絵葉書に描かれた様子が今日とほとんど同じなのは驚きですが、唯一、湧出量が減少してしまっているようです。
頑強な石造りの階段を通って、川面近くに下りていきます。
不自然なほど立派な構造物は、サンビームの記事でも登場したニューディール政策の遺産です。
参考サンビーム・ホットスプリングス - アイダホ州の温泉
不況と温泉。 アメリカの温泉のいくつかは、大恐慌後の失業対策として開発された歴史を持っています。 西側の豪快な捨て湯 サーモン川に沿ってアイダホ州道75号線を走っていると、サンビーム温泉を見逃すことは ...
フランクリン・ルーズベルト大統領のもと発足した公共事業促進局(WPA)により建設され、世界恐慌後の失業者に職と収入を与えました。
必要でない公共事業に連邦予算が無駄使いされたとして批判されることの多い政策ですが、こうして「必要でない」温泉が整備され、人々の心の豊かさにちょっぴり貢献している点を強調したいところです。
入浴できるのか!?
あらためて石階段と泉源を見比べてみると、どちらがメインか分からなくなるほど、見すぼらしい泉源。
石灰華の崖下から流出する湯の川は、用水路のようにしか見えません。
しかし、よく観察すればビッタビタに付着している硫黄成分が特徴的。
泉温50℃、強い硫化水素臭を放っています。
流路はすぐ二手に分かれ、川に流れ落ちておしまいです。
それなりに見応えのある景勝ですが、入浴できるのでしょうか。
実際のところ良いとも、ダメとも書いてありません。
誰も来る気配はなかったので、水着に着替えてしまいました。
一応、観光スポットなので全裸はやめておくべきでしょう。
足場の悪い斜面から流れ落ちる源泉は熱々。
ビッグホーン川はすぐに深くなり、上流にダムがあることもあって清流というほどの清潔感はありません。
適温で湯浴みできる箇所はほとんどなかったわけですが、サーモポリスはやっぱり楽しいな。
まとめ
White Sulphur Springs, Thermopolis, Wyoming, U.S.
私の好み
種類:野湯
ルール:水着着用
塩素消毒:なし
泉温:~50℃