海面下の温泉リゾート。
カリフォルニア史上最悪の環境破壊として知られるソルトン湖の見学と合わせて。
ボンベイ・ビーチ
カリフォルニア州最大の湖、ソルトン湖は湖水面で海抜-72mと、デス・バレーに次いで西半球二位の最低地点にあります。
この湖は完全に自然にできたものではなく、1905年の洪水でかんがい用水がインペリアル・バレーに流入したことに由来しています。
1950~1960年代にかけて湖岸は人気のリゾート地となり、ボンベイ・ビーチはその中心地でした。

しかし、外海に流出する川がないため汚染と塩分の凝縮が進み、1980年代より魚類や鳥類の大量死が継続。
干上がった湖底から有毒なちりの雲を発生させ、この地域の子供の20%以上がぜん息になっています。
今日に至るまで状況は根本的に改善せず、ボンベイ・ビーチは死んだ魚の悪臭漂う廃墟の様相を呈しています。
定年退職者の楽園

かつてソルトン湖周辺がリゾート地として栄えた理由の一つに、温泉の存在があります。

1938年、かんがい用のコーチェラ運河の建設作業員によって最初の温泉が発見されました。

1940年代には温泉水に治癒力があると信じる人々が全米から口コミで集まり、「オールド・スパ」を形成。

プールを囲むようにトレーラーハウスやテントが立ち並び、毎晩歌や寸劇などが行われるコミュニティだったそうです。



1964年、オールド・スパは閉鎖されたものの、その成功を見て周辺で温泉開発が加速。

バッシュフォーズ・ホット・ミネラル・スパは、オールド・スパの向かいの土地に1963年に建設されたRVパークです。

ソルトン湖より少し高い、しかし海抜-27mという海面下にあるバッシュフォーズ。

夏季は殺人的な暑さとなるため、毎年10月~5月のみの営業です。
Bashford's Hot Mineral Spa
砂漠の暮らしを楽しむ定年退職者のトレーラーハウスが立ち並ぶ園内。

敷地内には二つのプールと六つのホットタブがあり、日帰りで利用することもできます。

ホットタブは、一人サイズの浴槽が地面に直接埋め込まれた特徴的な構造。

隣接する更衣室兼トイレで水着に着替えました。

浴槽内は階段状になっていて、湯そのものの色と、こびりついた析出物の色で黄味がかって見えました。

湯口は浴槽の水面付近にあり、新湯がふんだんに投入されていました。

それとは別に二か所、清掃に使う目的でしょうか、温泉の出るホースがありました。

湧出点での温度66℃の源泉は、湯口でも55℃のアツアツ。

特段のにおいはなく、塩味の感じられる泉質。

直射日光を遮るものがないのは辛かったものの、浴槽が小さいため湯の新鮮さは格別でした。

まとめ
Bashford's Hot Mineral Spa, Niland, California, U.S.
私の好み
種類:日帰り、宿泊(RVパーク)
ルール:水着着用
塩素消毒:感知せず
泉温:~66℃