見るだけでも楽しめる「パンチボウル」からあふれ出る高温の湯。
川沿いに設置された飼葉おけ等で入浴可能です。
ダイアナズ・パンチボウル
同じネバダ州とはいえ、ダイアナズ・パンチボウルからパラダイス・バレー・ホットスプリングスまで車で5時弱かかります。
ここでダイアナズを紹介したいのは、地形的類似性のためです。
直径180mの石灰岩の丘の頂点に、直径15m・深さ9mの巨大な穴。
Yggdråsil - Diana's Punch Bowl (2021)
CC BY-NC-ND 2.0 DEED
底で煮えたぎる温泉は泉温93℃、「悪魔の大釜」との異名がぴったりの危険な地形です。
ネバダ州ではこのような場所が観光地化されることもなく、誰でも立ち入りできる状態になっています。
なおダイアナズ・パンチボウルでは安全・快適に入浴することはできません。
小ぶりなパンチボウル
パラダイス・バレー・ホットスプリングスへは州間高速道路80号線をウィネマッカの出口で降り、約1時間のドライブ。
道中のShelton Laneは未舗装なので、ロードクリアランスの高い車が推奨されます。
温泉周辺は私有地ですが、土地所有者の厚意によって開放されています。
ゴミの持ち帰りに協力ください。
キャンプは禁止で、宿泊する場合は隣接するBLM(土地管理局)の所有地を利用してください。
駐車場の真横に、地面から縁のせり上がった円形の湯だまりを発見。
ダイアナズ・パンチボウルより小ぶりの、しかしよく似た形の大釜です。
ここに湧出する温泉が石灰質の析出物を周囲に堆積させながら緩やかな丘を形成し、湯が湧き出る部分だけ穴として残ったものと推察されます。
湯面までの深さは3m程度で、好熱菌に彩られた析出物が多数浮遊していましたが、あまり近づかない方が賢明でしょう。
少し離れた丘の麓に小さな穴が開いていて、そこから54℃の熱湯があふれ出ていました。
源泉は小川となって流出し、それに沿って簡素なボードウォークが設けられていました。
小川がリトル・フンボルト川に接近すると、流路はより人為的に開削された様子。
有志がこしらえた緑色のホットタブが一つと、青色の飼葉おけが一つ。
この辺りは訪れるたびに様子が異なっているかもしれません。
2017年ごろには、川の氾濫で完全に破壊されていました。
飼葉おけには先客が陣取っていたので、私はホットタブを堪能することにしました。
周囲はボードウォークの上にマットが敷かれていました。
野湯であるのが信じられない快適さ。
新湯の投入は赤いバルブを捻ることでコントール可能。
しびれるような熱さの湯は、さらさらとした浴感で特段のにおいは感じられませんでした。
蛇行するリトル・フンボルト川を眼下に望む、さながら展望露天風呂。
見どころたっぷりで大満足でした。
まとめ
Paradise Valley Hot Springs, Paradise Valley, Nevada, U.S.
私の好み
種類:野湯
ルール:混浴
塩素消毒:なし
泉温:~54℃