ダーフィー家によって代々受け継がれてきた温泉プール。
およそ100年の歴史を持ちながら、なぜこれほどまでに飾り気がなくいられるのでしょうか。
再び始まった歴史
アイダホ州南端、シティ・オブ・ロックス国立保護区というロッククライマーには知られている名勝の近くに、アルモという小さな町があります。

ダーフィー・ホットスプリングスは、その町に湧く天然温泉を利用したプール。
日帰り利用のみ可能なシンプルな施設です。

駐車場からプールへ直接アクセスできる構造になっていましたが、まずは受付に立ち寄りました。

雑貨屋を併設している受付。

数えるほどのスナック菓子などを売っていました。
広くて清潔な更衣室兼トイレ。

1920年代創業の歴史ある温泉だと思って行くと、肩透かしを食うほど新しく飾り気がありません。

実は、1960年代初頭に施設は荒廃し、長らく閉鎖されていたといいます。
創業者の子孫が再び門戸を開いたのが2005年。

長いブランクの末に大幅な改造が施され、もともとは砂利敷きだったというプールはコンクリート製の四つのプールに改められました。
ミニマルな美しさ

シャワーの一番近くにあったのがキッズプール。

深さ60cmと浅いですが、しっかりと温泉が使用されていました。

こぼれそうなぐらい水面が高く設定されていたのが素敵。

大人用のホットプールは二つ、深さ120cm。

湯口での泉温は46℃。

プール全体の温度は約40℃に維持されていました。

こちらのホットプールは、片方が屋根で覆われていました。



周囲は遮るもののない原野なので、私はこの日除けの下で長時間過ごすことになりました。
これといって特徴のない無味無臭の泉質。

しかし、塩素消毒されておらず、源泉の投入量も十分で気持ちよく入浴できました。
州によって規制に濃淡があるのか分かりませんが、アイダホ州の温泉はプールのような場所でも消毒なしの掛け流しが多い印象。

15m四方のスイミング・プールは、ぬるめの温泉で満たされていました。

プールサイドには、これまた素朴な更衣室が並んでいました。
内部は仮普請のような仕上がり。

老舗らしく時代がかった演出をすることもできたでしょう。
ここにあるのは、地域住民の生活とともにあった温泉プールそのもの。

その潔さはミニマルな美しさに昇華されつつありました。
まとめ
Durfee Hot Springs, Almo, Idaho, U.S.
私の好み
種類:日帰り
ルール:水着着用
塩素消毒:感知せず
泉温:~46℃