ふんわりと硫化水素臭の漂う源泉が、階段状になった渓流を流れ落ちていきます。
ここは、オレゴン州でもっとも人気の高い混浴温泉の一つでもあります。
ヒッピー・タウンに近い人気の温泉
オレゴン州で3番目に大きい都市ユージーンに関するステレオタイプは、「全米一のヒッピー・タウン」であるということでしょう。
それはまったくの本当で、通りを歩けばすぐに分かります。

ユージーンからカスケード山脈まで1時間ほど車を走らせれば、良質な天然温泉が点在していることも、ヒッピーには魅力的です。
ターウィリガー温泉は、ウィラメット国有林内にある日帰り温泉。

日帰り温泉といっても、管理しているレンジャーに料金を支払うこと以外は、完全に野湯といった風情です。
駐車場は温泉への登山口をいったん通り越して、ダム湖に面したところにあります。

車道に沿って元来た方向を戻ると、レンジャーの小屋を発見。

営業時間は日の出から日没までで、明確には決められていません。
料金は一人$6.00(現金のみ、執筆時現在)。

レンジャーが不在の場合は、現金を封筒に入れて投函します。
人気の温泉なので週末はごった返します。

過剰な「裸の付き合い」を避けて静かに入浴したいなら、日の出と同時に歩き始めるのがおススメ。

登山は片道600メートルほどの簡単なものなので、軽装で問題ありません。

山火事多発地帯で、木々が炭化しているのが分かります。
温泉への立ち入りも頻繁に制限されるので、訪問前に山火事の状況を確認した方がよいでしょう。
渓流を階段状に区切った岩風呂

一本道の終点に、二つの簡易トイレがあります。
この辺りから階段で坂を下りたところが温泉です。

屋根付近に温泉名が彫られた更衣スペース。
ここに衣服や荷物を置いて入浴することになりますが、露天風呂からよく見えるので盗難の心配はそれほどないでしょう。

水着着用は任意(Clothing optional)。
こういう温泉はアメリカに驚くほど多いわけですが、ヒッピー・タウンに近いためか、他の場所より全裸の人の割合が明らかに多い。

女優の常盤貴子さんが「徹子の部屋」で、異国での混浴体験を語ったのがこの温泉だとか。



渓流そのものが温泉で、階段状に六つの岩風呂に区切られています。

下流方向に、板張りの休憩スペースが張り出しているのが見えます。

泉源は一番上の岩風呂にしかありません。
岩間から、ざあざあと自噴する源泉は47℃。

湯口付近は入浴できないほど熱くなっています。
ふんわりと硫化水素臭が漂う、文句なしの名湯。

白いバケツが置かれている辺りに、冷たい沢の水が引かれています。

このロケーションで温冷交互浴ができるなんて、ぜいたくすぎる。

丁寧に組まれた岩垣を湯が乗り越えていくたびに、温度は徐々に下がっていきます。
最終的には不感温度の湯溜まりとなります。

早起きして来たのでうとうとしていると、全裸の男女が階段を下りてくる物音で目覚めました。
エデンの園かよ!

まとめ
Terwilliger (Cougar) Hot Springs, Willamette National Forest, Oregon, U.S.
私の好み
種類:野湯(要入場料)
ルール:混浴
塩素消毒:なし
泉温:~47℃