モハーヴェ砂漠にぽっかりと空いた穴。
誰が何のために作ったのか、その露天風呂はいきなり現れます。
ヤシの木を見つけて
カリフォルニア州など4州にまたがる広大な砂漠、モハーヴェ砂漠。
そのネバダ州との州境付近に、ホットスプリングス・キャンプグラウンドなどがあるテコパの温泉街が位置しています。
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参考テコパ・ホットスプリングス・キャンプグラウンド&プールズ - カリフォルニア州の温泉
ネバダ州ラスベガスから車で1時間半。 州境を越えてカリフォルニア州に入ってすぐのところにある温泉街が、テコパ・ホットスプリングスです。 バッドウォーター・ベースン デス・バレー国立公園の観光の目玉の一 ...

テコパ・ホット・タブは温泉街の町外れに位置していて、予備知識がなければたどり着けません。
町の中心から北上して、辺りの風景がすっかり砂漠に変わったところで、右斜め後ろにターン。

Furnace Creek Roadというこのダート道は、普通の車で進入可能です。
ただ、路面がもろいので雨が降った後は要注意。
5分もしないうちに目的地に到着。

一直線に伸びる道が唯一、ヤシの木を避けるような形で細かく蛇行する箇所があります。
その孤独なヤシの木の麓が、温泉です。
砂漠はリビングルーム

四角く区切られたコンクリート製の浴槽に、無色透明の源泉が注がれています。

浴槽の周りには、砂漠をまるでリビングルームに見立てたかのように、椅子やソファが配置されています。

ブラシが備え付けてあり、利用者は自分で浴槽を清掃することになります。
もっとも、生き物の少ない砂漠の真ん中なので、比較的清潔に保たれています。

ちなみに、写真によって浴槽脇にソファが有ったり無かったりするのは、訪れた時期が違うためです。



地元民が家具を持ち寄って維持管理している、公衆浴場みたいな存在のようです。
もちろん、利用料金は不要。

どこから引湯しているのか分かりませんが、このパイプが湯口。
浴槽への投入量はまずまず。

泉温は約40℃で、温泉街の湯よりぬるい湯加減になっています。
浴槽は階段状に深くなっていて、肩までしっかりと浸かれます。

水面付近に、テコパ愛にあふれたカリグラフィーを発見。

排水は浴槽の切り欠きから行われます。
温泉はすぐさま砂漠に染み込んで消滅し、この水分によってヤシの木の生命が維持されています。

湯に浸かっているとき、視線はモハーヴェ砂漠の地平線にあります。

こんなおかしな温泉でもない限り、この視線から砂漠を眺めることはそうそうないでしょう。

荒涼とした砂漠の真ん中で温泉に浸かっていると、何とも不思議な気持ちになります。
まとめ
Tecopa Hot Tub, Tecopa, California, U.S.
私の好み
種類:野湯
ルール:混浴
塩素消毒:なし
泉温:~40℃