橋のたもとに湧いている温泉。
ミドルフォーク・ボイジー川沿いの野湯群のうち西端にあるものの一つです。
ツイン・スプリングス・リゾート
シープ・クリーク・ブリッジ・ホットスプリングスをGoogleマップで調べると、州都ボイジーに直線距離では近いため気軽に行ける野湯かと思いきや、経路検索では車で2時間以上かかるとのこと。
これはなぜかというと、アロウロック・ダム沿いの悪路をひたすら走行することなるためです。

アロウロック・ダムは1915年に完成したアーチ式コンクリートダムで、完成以降9年間は世界でもっとも高さのあるダムでした。
ダム建設のために、アメリカ合衆国初の公営鉄道が運営されたというエピソードもあります。



このように栄誉あるダムにもかかわらず、道路は往時から大して変わっていないのでないかと思われる曲がりくねったダート道。
優れた眺望は転落の危険と裏腹。
路面の状況は悪くなかったものの、私は慎重に車を進めました。

巨大なダム湖がようやく終わった辺りの道沿いに、ツイン・スプリングス・リゾートなる温泉宿がありました。
最低滞在日数は2泊から。

1898年より営業しているこの原始的な温泉宿に、私は宿泊するチャンスをとうとう逃しましたが、アロウロック・ロード沿いからもその素晴らしい泉源周辺を観察できました。
泉源そのものは石造りの小屋で覆われていたものの、あふれ出た源泉のせせらぎが道路まで到達していました。
野湯群の「入口」

ツイン・スプリングスまで来れば、シープ・クリーク・ブリッジ・ホットスプリングスへはあと10分車を先に進めるだけです。

ミドルフォーク・ボイジー川に掛かっているシープ・クリーク・ブリッジに気づくことは容易でも、その橋のたもとにある野湯を事前知識なしに見つけるのは困難です。

車を数台停められるスペースがありますが、道幅がカーブの途中で自然な感じで広がっている部分のため、なかなかそれと気づけません。

温泉へはここから徒歩1分もかかりませんが、川沿いの丘を越えるため、スタート地点からは視認できません。

まばらな植生の斜面に、温泉藻で彩られた湯だまりを発見。

泉温56℃の熱湯が上方の草むらから流れ落ちていました。

斜面に沿って複数の湯だまりが階段状に見られました。

よくよく観察すると、古びた配湯管も残っており人為的に設けられた様子。

実は、先ほど見たツイン・スプリングスのご主人がかつてはボランティアで整備していたそうです。

利用者のマナーがあまりにも悪いことから、管理することに嫌気がさして放置されるに至りました。

そのためか湯だまりの数々は熱すぎるかぬるすぎるかの両極端で、どれも快適とは言い難い状態。

しかしながら、ミドルフォーク・ボイジー川沿いの無数の野湯群の「入口」にあるスポットとして、私の記憶には鮮明に残りました。

まとめ
Sheep Creek Bridge Hot Springs, Mountain Home, Idaho, U.S.
私の好み
種類:野湯
ルール:水着着用推奨
塩素消毒:なし
泉温:~56℃