天然の湧き水を利用したプールとしては世界最大。
乾燥したチワワ砂漠における様々な野生動物の生息域であり、貴重なかんがい用水の水源でもあります。
バルモレア・ステート・パーク
テキサス州エルパソ、サンアントニオ間の州間高速道路10号線から、ダラス・フォートワース方面へとつながる同20号線が分岐する辺り。

サン・ソロモン・スプリングスはバルモレア・ステート・パーク内にあります。
州立公園の入場料は大人$7.00。

年中無休、入場料だけで真冬でもプールに入れます。
監視員はいないので要注意です。

かつてネイティブ・アメリカン(メスカルーロ・アパッチ族)が馬に水を飲ませる場所であった湿地帯に、公園が建設されたのは1934~1941年のこと。

世界恐慌下で仕事のない人々に職と職業訓練を与えるためのニューディール政策の一環として、市民保全部隊(CCC)が建設に携わりました。

1968年までは民間業者が運営していたようですが、その後州立公園システムの一部となりました。

公園内にはアドビレンガ造のレトロな構築物が随所に残っていました。

男女別の更衣室はピカピカ!
驚異的な透明度

サン・ソロモン・スプリングスの泉源はスイミングプールの奥底、9mの地点にあって地上からは目視できません。
これだけの深さがあるため、スキューバダイビングのスポットとしても知られています。

13,000立方メートルの巨大プールを、一日当たり110,000立方メートルの膨大な湧き水が満たし、塩素消毒は不要。

驚異的な透明度のプール。
深いところは自然の岩底になっていました。



泉温は年間を通じて24℃前後。
私は冬に訪れましたが、早朝に湯気が立ち上っているのが見えました。

私が温度を測っているすぐ横を、カメや魚が優雅に泳いでいました。

プールの形状は、正円になっている泉源の周囲から二方向にウィングが伸びています。

水は、北西150kmのところにあるカールズバッド洞窟群国立公園と同じ、カピタン層から湧出していると考えられています。

今日では標高1千メートルの高地にあるこの場所は約2億6千年前は海底にあり、サンゴ礁があったといいます。

そのサンゴ礁のはたらきで形成された石灰岩がカピタン層で、巨大な帯水層として機能しています。

飛び込み台周辺で、水は水路を通じて流出していました。

市民保全部隊がプールを建設したことでもともとあった湿地帯(シエネガ)は消失しましたが、1995年に開始したバルモレア・ステート・パーク・シエネガ・プロジェクトによって砂漠の湿地帯は復元されています。

そこは絶滅危惧種の巻貝、甲殻類、魚類の生息域となっています。
Larry D. Moore - The renatured wetlands of the San Solomon Cienega
CC BY-SA 3.0
まとめ
San Solomon (Mescalero) Springs, Toyahvale, Texas, U.S.
私の好み
種類:日帰り
ルール:水着着用
塩素消毒:なし
泉温:~24℃