ロック・スターとして、民衆の夢と大量の化石燃料を消費しながらアメリカ大陸を横断し、ふと立ち寄った田舎町の温泉。
そんな疑似体験ができるのがこちらの温泉宿です。
アーテジアン・バス・ハウス
今回の宿はAirbnbの民泊のため、温泉街を歩いていて見つけるのはほとんど不可能。
場所はアーテジアン・バス・ハウス&トレーラー・コートのすぐ隣です。
アーテジアン・バス・ハウスは廃業したと見られる温泉付きRVパークで、建物の崩壊が始まっていました。
歴史ある温泉宿が打ち捨てられているのは、心が痛む光景でした。
新たなインスピレーション
ロック・スター・バス&プライベート・ホットスプリングは、その名のとおりロック・スターが全米ツアーに使いそうなラグジュアリーなバスに泊まりながら、天然温泉が楽しめる趣向の宿。
アーテジアン・バス・ハウスに面した通りからも、巨大なバスの上半分を視認できました。
高い塀で囲まれた敷地の内部に入ると、たき火台やピクニック・テーブルなどが点在。
ホストの住居と、二つの宿泊施設が敷地内に分け隔てなくありました。
バス以外の宿泊オプションはこちらのドーム。
同じくAirbnbで予約可能です。
ドームの後ろで堂々たる姿を見せていたのが今晩の寝床。
Motor Coach Industries(MCI社)製のバスで、車輪の覆いさえ外せば今にも動き出しそう。
MCI社は2008年に破産申請し、現在はカナダのバスメーカーの傘下にあります。
ホストの説明によれば、従前はワシントンD.C.でSWAT部隊に使用されていた個体だそう。
車内の電動カーテンやセントラルヒーティングなど、電装系はどれも問題なく作動していました。
運転席の後ろは、革製のソファのあるリビングルーム。
その奥はキッチンで、シンク、クッキングヒーター、冷蔵庫、電子レンジ、食器洗浄機など、あらゆる設備が整っていました。
コンパクトなシャワースペースと洗面所。
最後尾はベッドルーム。
車体幅いっぱいのベッドの床面は、窓と同じ高さにありました。
さて、温泉は緩やかに目隠しされた屋外の一画にあります。
バスへの宿泊者は、奇数時間(例えば7、9、11時)であればいつでも利用可能。
暗緑色のがっしりとした浴槽一つ。
4人ぐらい浸かれそうなサイズです。
目立つところに水栓が付いていましたが、それは頭上のシャワーのもの。
新湯の投入は、浴槽脇に格納してあるリモコンで操作します。
無色透明、無味無臭、泉温41℃の源泉掛け流し。
凄まじい湯量でした。
ユニークなバスに負けず劣らず、温泉も秀逸。
私がロック・スターなら、この浴槽で新たなインスピレーションを得たことでしょう。
まとめ
Rock Star Bus & Private Hot Spring Downtown, Truth or Consequences, New Mexico, U.S.
私の好み
種類:宿泊
ルール:貸切風呂
塩素消毒:感知せず
泉温:~41℃