国立公園内にある国営の温泉プール。
かの有名なフランスの炭酸水、ペリエと歴史的な関係があります。
国際色豊かな歴史
ブリティッシュ・コロンビア州レイディアム・ホットスプリングスは、ユネスコ世界遺産のカナディアン・ロッキー山脈自然公園群を構成する7つの公園のうちの一つ、クートニー国立公園の中にあります。

カナダ国内ではアルバータ州カルガリーから3時間弱、同バンフからは1時間半のドライブ。
アメリカからは、アイダホ州ボナーズ・フェリーから3時間のドライブ。

温泉施設は同名の村から北東に3km離れた渓谷にあります。

先住民のクテナイ族によって利用されていたという温泉は、その臭いがほとんどない泉質のために、白人の開拓者は気づかずに何度も素通りしていた可能性があるといわれていいます。

1890年、イギリス人の入植者が州政府から温泉周辺の土地を購入したものの、その辺ぴな立地のためしばらく放置されていたようです。

本格的な開発が始まったのは1911年以降、政府が周辺道路の整備に着手し始めてから。

1914年にはThe Radium Natural Springs Syndicate Ltdなる会社が設立され、その主要な出資者の一人にイギリスの実業家セント・ジョン・ハームズワースがいました。

ハームズワースはフランスのペリエ鉱泉への出資、鉱泉水の瓶詰事業の成功で知られていました。



交通事故により下半身不随となっていたハームズワースは、こちらの温泉に入浴後若干の改善が見られたことから、出資を決めたそうです。

その後周囲の土地が国立公園に指定されたことに伴い、1922年に公園局によって収容。

現在の建物(アクアコート)は1951年に完成し、歴史的建造物として指定されています。

さて、駐車場から道路の下をくぐってアクアコートに入り、CAD 17.50(執筆時点)の入場料を払うと、トークンを一つもらえました。

階下の更衣室で、ロッカーを施錠するのに使用するトークンです。
一度使ったトークンは戻ってきませんのでご注意を。

屋外のプールに出る前に、マッサージの施術を行うスパがありましたが、営業していませんでした。
渓流の上で

プールは大きく二つのエリアに分かれていて、こちらのスイミングプールは、冷たい渓流の水を使用しています。

こうして見ると、険しい渓谷に施設がすっぽりと収まっていることがよく分かります。

他方の温泉プールの横には、小さな浴槽が一つだけありました。
泉温は約40℃。

温泉プールは岩肌に面していて細長く、巨大の一言。
そのプールの下を、渓流がトンネル状に潜り抜けていました。

Radiumの名の通り、温泉水には放射性元素が含まれており、30分の入浴で受ける放射線被ばく量は約1.3マイクロシーベルトといわれています。

これは人体にまったく影響がないと言ってよいレベルで、特段の浴感はありませんでした。

あるとすれば塩素消毒の臭いぐらい。
とは言え巨大なプールのある景観は、見応え十分でした。

まとめ
Radium Hot Springs, Radium Hot Springs, British Columbia, Canada
私の好み
種類:日帰り
ルール:水着着用
塩素消毒:あり
泉温:~40℃
