座ったときにかろうじて腰まで浸かる程度の、ぬるくて小さな水たまり。
そんな温泉に行くことに意義があるのかと問われたら、答えは「意義はないが行け」です。
グレープバイン・キャンプグラウンド
ニューメキシコ州シルバー・シティから北方へ1時間半。
つづら折りの山道を登ったり下りたりしながら、車はしだいに高度を上げていきます。

最後に一気に高度を下げて、ヒラ川の流れる盆地へ進入。
ヒラ・ホットスプリングス・ランチなどの温泉施設が立地しているエリアです。
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参考ヒラ・ホットスプリングス・ランチ - ニューメキシコ州の温泉
馬の背に乗って山中に分け入るような秘境の地、ヒラ温泉。 牧場では、思いのほか清潔な天然温泉を貸切利用できました。 ヒラ温泉で代々続く牧場 ニューメキシコ州ヒラ岩窟住居国定公園へ向かう山中で、最後にある ...

今回はハイキングが必要な、ほとんど知られていない野湯に向かいます。
往復3時間は予定しておきましょう。

ヒラ川を橋で渡る直前で右折して、グレープバイン・キャンプグラウンド方面に入ります。
ヒラ国有林が維持管理している無料のキャンプ場です。

ヘアピンカーブを更に右折すればキャンプ場ですが、そこを直進すれば今回のトレイルヘッド。
ここで車を降ります。

橋の下をくぐる所からいきなり道が消失。
この後目的地にたどり着くまで、合計9回も川を歩いて横切る必要があります。

往復6km程度の比較的短いコースですが、川を渡るのに手間取ります。

ウォーターシューズを持参した方が楽と思われます。

どうやら人気のないコースのようで、しばらく進むと山道を見失いがち。

ヒラ川は場所によっては思いのほか深く、時期によっては注意が必要です。

実は今回が2回目のチャレンジで、1回目は温泉を見つけられずに敗退しています。
ここで左折して旧河道に入るのがポイント。

トレイルを延々にたどっていたのでは、通り過ぎてどんどん離れていってしまいます。
川と並行している旧河道さえ歩いていれば、温泉を見つけるのはそう難しくありません。

目印はこの特徴的な崖。
踏み分け道の突き当りに、小さな水たまりが二つあります。

ただの水たまりです
おめでとうございます、これが目的地です。

手前の池はとくに小さく入浴に適したサイズではありませんが、斜めになった岩盤から確かに新湯が注がれています。

奥の池は左手の岩盤からと右手の小さな滝から、二手に分かれて湯が投入されています。

温度は40℃。
周辺の野湯の中ではとりわけ泉温の低い部類に入ります。

源泉は無味無臭で澄んでいますが、底には細かい泥が堆積していて、浴感は褒められたものではありません。
しかも苦労して何度も川を渡ったのに、渓流から離れた草いきれの中で入浴するとは……

そんなわけで他人にはおすすめできませんが、個人的には達成感で心が満たされていました。
だって希少価値がすごい!



まとめ
Melanie Hot Springs, Gila National Forest, New Mexico, U.S.
私の好み
種類:野湯
ルール:混浴
塩素消毒:なし
泉温:~40℃