トゥルース・オア・コンシクエンシーズ温泉郷の数ある温浴施設の中で、私がもっとも高く評価したいのがインディアン温泉浴場です。
貸切の内風呂が二つしかない小さな温泉宿ですが、湯小屋という言葉がぴったりの粗末で寂しいたたずまいが、むしろ精神的な豊かさを感じさせます。
寂びた大風呂
1930年代創業の老舗モーテル、Langford Tourist Courtsがインディアン温泉浴場に名前を変えて、細々と営業を続けています。

宿泊客は一回30分の入浴が一日二回無料になります。
もっとも、日帰りでも30分当たり一人$4.00(執筆時現在)で入浴できます。

古めかしい宿泊棟の向かいに事務所があります。

駐車場に車を止めると主人がおもむろに現れ、料金はキャッシュのみ受け付け。

敷地への入口を挟んで事務所の横に、二つの貸切風呂があります。
左側が大きく、右側が小さい風呂になっています。

まずは大風呂から入浴してみましょう。
どちらの浴室も足元湧出のため、地下に降りる構造になっています。

壁の下半分はレンガ、上半分は木造の空間が脱衣所です。
粗末な木のベンチの奥に、4人は入れそうな浴槽があります。

温度は41℃のぬる湯。
きわめて透明度の高い源泉が、玉砂利敷きの足元からふつふつと湧き上がっています。

この浴室の枯れた雰囲気の魅力に、私は完全にノックアウトされてしまいました。
日本のどこぞの湯治場に迷い込んだかのようです。
渋い小風呂

さて、小風呂は二人向けの小さな浴槽のために、温度は43℃程度の適温になっています。
冬場はこちらを選択しないと辛いかもしれません。

小風呂の方は足元湧出の量が少ないと思われます。
そのため、脱衣所入口の壁にあるスイッチを操作して、人工的にくみ上げる機構が備わっています。

日曜大工のように設置してある木箱の中身がポンプですが、稼働させると相当な騒音がします。



狭い階段を下りて、湯の中に徐々に体を沈めます。
大風呂と異なり、こちらは木製の浴槽により温かみが感じられます。

向かって正面、水面下にある細いパイプが湯口です。
ポンプを稼働させると、ジェットバスというほどではありませんが、強い水流で源泉が投入されます。

インディアン温泉浴場のすべてであるわずか二つの貸切風呂の、あらゆる虚飾を排したような空間は、心の底から体を温めてくれます。
まとめ
Indian Springs Bath House, Truth or Consequences, New Mexico, U.S.
私の好み
種類:日帰り、宿泊
ルール:貸切風呂
塩素消毒:感知せず
泉温:~43℃