プロングホーンの保護区内にあるキャンプ場に湧く温泉。
自然のままの湯だまりと、頑丈なプールの両方を楽しめます。
注意
山火事被害のため閉鎖されているとの情報があります。現地の最新情報に基づいて訪問を検討してください。
自然のままの湯だまり
オレゴン州南東部、グレート・ベースンの高地砂漠の北端。

最寄りの町はレイクビューですが、そこから2時間のドライブが必要となる「最果ての地」です。

ハート・マウンテン国立アンテロープ保護区は1936年に設立された野生動物保護区で、北米最速の陸上動物として知られるプロングホーンの群れが生息しています。

広大な保護区内の道路はすべて未舗装で、私は普通の車で走破しましたが、雪解けの季節にはひどいわだちができることもあるとか。
ロードクリアランスの高い車で出掛けるのが無難です。

温泉があるのは無料のキャンプ場。
小川を橋で渡って内側に入りました。

駐車スペースとくみ取り式のトイレがある以外は特段何もない、予約不要の原始的なキャンプ場。

30のキャンプサイトがあり、14日間まで滞在できます。

ここには二つの趣の異なる温泉が数十メートル離れた場所にあり、私が最初に訪れたのは自然のままの湯だまりの方です。

駐車場の端に岩石の車止めがあり、その奥はおそらく温泉成分が白く析出した荒れ地が広がっていました。

更に奥にある茂みの中に足を踏み入れると、小さな湯だまりを発見。

全体的に浅く、ふかふかの泥で覆われた底面。

かすかな硫化水素臭を伴う源泉は底面から気泡とともに直接湧き出し、泉温41℃と十分な温かさがありました。

あふれ出た湯は小川となって草むらのなかに流出。
この繊細で壊れやすい自然のままの湯だまりが、入浴に適した形で維持されているのは人里離れた立地ゆえでしょう。
頑丈なプール

もう一つの温泉は、駐車場のすぐそばにありました。
頑丈な岩とコンクリートでできた、子供の背丈ほどの風除けで囲まれたプール。

その内部には木製のベンチが二つと、六人程度が浸かれそうな浴槽がありました。

浴槽の上部はコンクリートで長方形に仕切られていますが、下部は自然の岩盤のまま。

伝説によれば、ある牧場主が岩間から染み出す水に気づき、割れ目をダイナマイトで破壊して浴槽の原型ができあがったようです。



最深部は大人でも足が底につかないほどの深さ。
神秘的な青みを帯びた湯の中には絶えず温泉ガスの気泡が立ち上っていました。

泉温38℃のぬる湯。
圧倒的な静寂の中で時を忘れて長湯しました。

まとめ
Hart Mountain (Antelope) Hot Springs, Plush, Oregon, U.S.
私の好み
種類:野湯、宿泊(キャンプ場)
ルール:混浴
塩素消毒:なし
泉温:~41℃