元は温泉の町として知られたパソ・ロブレス。
町が発展して小ぎれいになっても、フランクリン温泉には独自路線を貫いてほしいものです。
独特の価値観
ネイティブ・アメリカンのサリナン族の住んでいた現在のパソ・ロブレスに、スペイン人が入植して温泉を楽しんでいたのが1700年代。
それに対べて郊外のフランクリン温泉の歴史は比較的浅く、1950年代、フランクリン家の所有していた農地で石油掘削が試みられたのが始まり。
結局、石油は見つからず代わりに温泉が湧いたというわけです。
現在も同家による経営は続いています。
色あせた看板の前を通ってダート道を少し進むと、手作り感あふれる小屋が出現。
基本的には日帰り入浴施設ですが、簡素なキャンプ場やRVパークも併設しています。
農作業小屋のような雰囲気すらある、雑然とした受付。
それを通り抜けると、ダークグリーンの湯をたたえる巨大なプールがありました。
水温は36℃程度のぬる湯。
受付の近くにあるのが、男女別の更衣室兼トイレ。
お世辞にも奇麗に清掃されているとは言い難い状態でした。
その反対側に行くと温泉がプールから排出されている、いわゆる湯尻。
そのまま池に垂れ流されており、池は釣り堀として利用されていました。
更衣室側に戻ると、黒いネットで設けられた日除けの下にバスタブがありました。
プールの中にバスタブがある面白い構造です。
そして、目を奪われるのが特徴的な湯口。
八本のパイプから激しく源泉が投入される有機的なデザイン。
異様といっても過言ではありません。
源泉を打たせ湯のように肩に当てて、マッサージ効果を楽しんでいる入浴客が多くいました。
この辺りのプールには適度な深さがありました。
一方、湯尻に近付くと大人でも足が底につかないぐらいの深さとなります。
プールの底には粘土が堆積し、これを顔や身体に塗ってパックしている人もたくさんいました。
パソ・ロブレスは古くは泥浴で有名だったので、由緒正しき入浴方法と言えるでしょう。
秀逸な源泉を小浴槽で
釣り堀に面した草むらに二人サイズの円形の浴槽を発見。
コンクリート製で、奇妙なほど頑丈に作られていました。
私はこの浴槽が気に入って、大半の時間をここで過ごすことになりました。
浴槽の大きさに比べて新湯の投入量が多いので、やや温かめの約38℃を維持。
湯の入れ替わりが早く新鮮で、泡付きも感じられました。
卵が腐ったようなにおいに加えてアブラっぽい臭気もあり、力強さの感じられる泉質でした。
まとめ
Franklin Hot Springs, Paso Robles, California, U.S.
私の好み
種類:日帰り、宿泊(キャンプ場)
ルール:水着着用
塩素消毒:感知せず
泉温:~38℃