滝を流れ落ちるのは冷たい沢の水。
その滝つぼの両脇から、高温の源泉が湧出しています。
渓流沿いのハイキング
ユタ州の州都ソルトレイクシティに降り立った私は、そのまま北へ抜けて野湯めぐりに興じようと思案していましたが、あいにくの雨。
急きょ予定を変更し、南へ1時間ちょっとのドライブでたどり着く、フィフス・ウォーター温泉を目指しました。
週末には多くの地元民が押し寄せる、人気のハイキングコース。
往復7km、適度な長さでよく整備されていて、終始、渓流沿いの美しい景色を楽しめます。
青みがかった野湯群
硫化水素臭がしだいに鼻をついてきたら到着。
温泉は大きく分けて二つのエリアに湧いていました。
一つ目が下流側の小さな滝のある辺り。
右岸に適温の源泉が湧出し、そのまま深めの岩風呂に注がれていました。
沢の水が青みがかって見えるのは、それだけ大量の温泉が混入しているため。
自然条件によっては、ターコイズ色になるまで強く発色することもあります。
二つ目のエリアは、上流側の大きな滝のある周辺。
右岸にあるのが最大の湯溜まりで、10人入っても余裕の大きさ。
滝方向に水路が伸びている場所に、泉源がありました。
これはすごい!
60℃近い高温の源泉がとめどなく噴出。
岩間から冷たい沢の水が混入して、湯溜まりはおおよそ適温になっていました。
所々、火傷するほど熱い箇所もあるので注意が必要です。
露出した断層を乗り超えるような形で、滝が流れ落ちていました。
断層は一般的に、地中深くの温泉が地上に出てくる通り道とされています。
浅い滝つぼを挟んで左岸では、川底が赤茶色に染まっていました。
ここでも源泉が自噴していて、沢の水と上手い具合に混じって小さな岩風呂に注がれていました。
ここでは硫黄分がとりわけ強く、顕著な臭気とともに緑色の発色が見られました。
滝の水音に支配された至高の入浴環境。
「入浴する人は慎重であるべき」という米国森林局の紛らわしい看板がありますが、実際は多くの家族連れが訪れるスポットなので、水着着用が必要。
米国森林局に勤務する消防士が裸で入浴中に、保安官によって違反で召喚されたという記事を見ました。
何ということでしょう。
個人的には、このような自然の場所で人々は自然のままで入浴できるべきだと思うのですが。
まとめ
Fifth Water (Diamond Fork) Hot Springs, Uinta-Wasatch-Cache National Forest, Utah, U.S.
私の好み
種類:野湯
ルール:水着着用
塩素消毒:なし
泉温:~60℃