L.A.近郊の便利な立地ながら、野湯の雰囲気そのままの特殊な温浴施設。
この地域にはかつて歴史的な温泉リゾートがありました。
注意
暴風雨被害のため閉鎖されているとの情報があります。現地の最新情報に基づいて訪問を検討してください。
マティリヤ・ホットスプリングス
カリフォルニア州オーハイは、L.A.から見てサンタ・バーバラの手前にある人口7,500人程度の山間の町。

ベンチュラで国道101号線を降りて、L.A.ダウンタウンからは約1時間20分のドライブで行ける便利な場所にあります。

条例によりチェーン店の営業が禁止されており、ニューエイジっぽい個人店が点在している田舎町。

この谷には19~20世紀にかけて繁栄した、マティリヤ・ホットスプリングスという温泉リゾートがあり、その敷地は今日のマティリヤ・ダムによって一部水没しています。

ダムのそばに残っていた郵便局など歴史的な構造物も2017年の山火事の結果、撤去されてしまいました。

マティリヤ・ホットスプリングスの廃業後も垂れ流されていた源泉には多数の愛好家が集まり、無責任なパーティーを繰り広げたことにより荒廃。

1988年にマティリヤ川の周辺は郡所有の土地から私有地となり、一般人のアクセスは制限されました。

現在「エコトピア」という非営利団体が、かつてのリゾート地よりやや上流に行った辺りを管理しています。
強烈な源泉のパワー

エコトピアでは、2時間制の事前予約で温泉の一般利用を可能にしています。

野湯時代から大して手を加えられていない温泉が、有料($20.00、訪問時)となって管理下に置かれたことに批判の声がないわけではありませんが、むしろ望ましい結末といえるでしょう。



都市近郊の野湯を良い状態で維持することは、この国では実質的に不可能なのです。

仮設テントのような簡素な更衣室から100m程度歩くと、川沿いの岩風呂に到着。

五つの岩風呂はどれも自然のままで、場所によっては泥っぽい地面から源泉が湧出していました。

もっとも熱いところでは泉温45℃を観測。

寒い時期におすすめのアツアツの温泉です。

湯は無色透明ながら圧倒的な硫化水素臭を放って、こってりとした浴感。

岩石の表面には鮮やかな黄色の析出物が付着していました。

冷たい水が流れるマティリヤ川に浸かることもでき、温冷交互浴も可能。

川の水さえ硫化水素臭を発するような、強烈な源泉のパワーに圧倒されました。

まとめ
Ecotopia (Ojai) Hot Springs, Ojai, California, U.S.
私の好み
種類:日帰り
ルール:混浴
塩素消毒:感知せず
泉温:~45℃